新型スープラが見えてきた…「トヨタはオープンを作らない」 BMW 新型「Z4」のキーマンに開発秘話を聞く
パリモーターショー2018にて、トヨタ「スープラ」との共同開発を行なった新型BMW「Z4」の市販バージョンがお披露目されました。キーマンの2人に、開発秘話をうかがいました。
BMWとトヨタ、車両の共同開発は困難を極めたのか?
先日開催されたパリモーターショーで、BMWが新型Z4の市販バージョンをお披露目しました。先代のE89が2016年8月に生産終了となって以来、約2年ぶりに復活した新型は、2019年デトロイトモーターショーでワールドプレミアになると言われている新型トヨタ・スープラとの兄弟モデルです。
そこで、BMWが「G29」の車内コードを持つ新型Z4をどのように開発したのか、プロジェクトマネージャーのミヒャエル・ウィンベック氏とプロダクトマネージャーのアンドレアス・エーデラー氏に直接聞いてみました。
編集部(以下:編):BMWとトヨタの2社は、2台の異なるスポーツカーを開発するにあたり、どのような関係性だったのでしょうか?
ミヒャエル・ウィンベック氏:我々とトヨタは、“ハイパフォーマンス・スポーツカーを作る”という共通の目的の下で協力してきました。しかし、BMWはオープンカーのZ4、トヨタはクーペのスープラを開発しました。この2台は異なるクルマであり、デザインやキャラクターも違います。
編:BMWはロードスター、トヨタはクーペを作るとなると、ボディ形状の違いから技術的な衝突はなかったのでしょうか?
ウィンベック氏:確かに技術的にはチャレンジングなものでした。しかし、トヨタとの意見の衝突はありませんでした。クーペは軽量化のメリットがあり、ロードスターも十分なボディ剛性を確保できました。ソフトトップは静粛性の面からもデメリットはありませんし、新型からロック部には発泡剤を充填して、防音効果を高めています。トランク容量も犠牲になっていません。
編:Z4とスープラは、どの程度共通した部分があるのでしょうか。
ウィンベック氏:デザインに直接関わらない部分については、共有していると言って良いでしょう。つまりプラットフォームです。開発が進んでからは、互いにどんな開発を行っていたのか、特に情報共有はしていないので、異なるクルマになっています。