出光・T2・いすゞが連携 自動運転トラックの商用運行で次世代バイオディーゼルを試験利用
出光興産、T2、いすゞ自動車の3社は、トラック輸送の脱炭素化に向け次世代バイオ燃料の普及で連携します。今夏より関東と関西を結ぶ高速道路で、レベル2自動運転トラックの商用運行を通じた試験利用を開始。給油インフラの課題や車両への影響を検証し、将来の本格的な社会実装を目指す取り組みが進められます。
出光・T2・いすゞ、自動運転トラックの商用運行で次世代バイオ燃料の試験利用開始
国内の大型トラック輸送分野において、環境負荷を低減する新たな試みが始まります。
出光興産、T2、いすゞ自動車の3社は、カーボンニュートラルの実現に向けた次世代バイオディーゼル燃料の普及連携を発表しました。
今夏から実際の商用運行ルートを活用した共同検証が開始される予定で、燃料供給から自動運転による長距離走行、車両のメンテナンスまでを含めた運用体制と有効性の確認が段階的に進められます。

今回の実証に用いられる「出光リニューアブルディーゼル(以下、IRD)」は、バイオマス資源を原料とし、水素化処理プロセスを経て製造される軽油代替燃料です。
出光興産・販売部企画課の西原裕氏は「IRDは、通常軽油同等に使用できることや、軽油と比べてより大きなCO2削減効果を実現できる点が大きな特徴となります」と説明しています。
しかし、普及に向けては課題も存在します。現在、給油を行えるインフラが未整備であることに加え、通常の軽油と比較して価格水準が高い傾向にあります。
また、通常の軽油と混和できない制度上の制約や、修理対応などが実運用の中で明確化されていないことが導入の障壁となっています。
IRDの現状について出光興産の西原裕氏は「出光興産としては2024年12月から全国販売を開始しております。現状、主にご使用いただいているユーザー様につきましては、建設機械や軌道車といったオフロードのユーザー様が多くご使用いただいております。今回このトラックでの使用というのは初めての事例です」と回答しました。
今回の取り組みは、実際の商用環境でIRDを利用し、これらの課題を検証することを目的としています。

3社はそれぞれの専門領域を活かして実証を行います。
出光興産は、埋設型の固定設備に依存しない可搬式燃料タンクを活用し、専用の給油所がない場所でも柔軟な燃料供給体制の構築を目指します。
T2は、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据え、高速道路と一般道を切り替える拠点「トランスゲート」を神奈川県と兵庫県に整備。
T2・事業開発本部経営企画部の亀谷直樹氏は「IRDと、当社が実現を目指すレベル4自動運転トラックは親和性が高いと考えています。今回の試験段階では、まず神奈川県の当社施設で給油を開始し、その実績をもとにトランスゲートへのタンク設置を検討します。トラック輸送分野のカーボンニュートラル実現に向けて当社の役割を果たしてまいります」と述べています。
いすゞ自動車は、マルチパスウェイの方針のもと開発を進めています。
いすゞ自動車・CN技術統括部の足立隆幸氏は「リニューアブルディーゼル燃料の普及促進活動へも商用車メーカーとして積極的に関連業界と連携して参画して参ります」としており、従来の軽油と同等のオペレーションで車両の修理やメンテナンスサービスを提供します。
また今回の3社による連携の経緯についてT2の亀谷直樹氏は「2025年8月に出光とT2でカーボンニュートラル燃料の普及に向けたプレスリリースを出しています、そのニュースを見たいすゞ自動車様がご覧になってお声がけを頂きました。協議を重ねていく中で、将来的なビジョンや課題感が一致しまして本日の発表に至ったという経緯でございます」と明かしました。

今回の実証実験は、燃料の供給、車両の運行、製造・整備の各事業者が連携し、次世代バイオ燃料の普及に向けた課題を実際の商用環境で検証するものです。
自動運転技術による運行の効率化と次世代燃料の活用を並行して進めることで、給油インフラの整備やオペレーションの確立に向けた検討が進められます。
Writer: くるまのニュース編集部
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