三菱「パジェロ」が今秋、世界初公開! 増岡氏「すごくいい感じに仕上がっている」 新・中長期ビジョンで復活宣言

三菱自動車が新たな中長期ビジョンを発表し、伝説のオフローダー「パジェロ」が国内で7年ぶりに復活することが明らかになりました。2026年秋の世界初公開に向け、ダカールラリー覇者の増岡浩氏も新型の仕上がりに太鼓判を押します。今後6年間で13車種を投入する同社の成長戦略と、新世代パジェロが切り拓く未来の全貌に迫ります。

パジェロ復活はプレミアム戦略の要

 2026年5月29日、三菱自から2030年代に向けた新たな中長期ビジョンが発表されました。
 
 この発表の中で最も大きな注目を集めたのは、なんといっても国内では実に7年ぶりとなる、伝説のオフローダー「パジェロ(PAJERO)」の復活宣言です。
 
 三菱らしさを体現するパジェロは2026年秋に世界初公開される予定であり、単一の車種としての復刻にとどまらず、将来に向けた新ブランドとしてのシリーズ展開が図られるとのことです。

新型パジェロは三菱の冒険心と挑戦心を象徴する新たなるフラッグシップモデルとして開発
新型パジェロは三菱の冒険心と挑戦心を象徴する新たなるフラッグシップモデルとして開発

 この待望の復活に対し、ダカールラリーでパジェロを駆り連覇を果たしたレジェンド・増岡浩氏も熱い想いを寄せています。

 公開された特設サイトでは、増岡氏による「もし地球一周レースがあったら、いちばん速いのは、『パジェロ』かもしれない」というメッセージが掲げられました。

 さらに、「道を選ばないということ。砂漠でも、高速道路でも、雪でも、雨でも――誰もが確実に目的地にたどり着け、最後は乗る人すべてが安心して帰り着ける。その思想がなければ『パジェロ』ではない」と綴られており、パジェロというクルマの根底にある揺るぎない信念が伝わってきます。

 また本発表後に直接増岡氏に話を聞くと次のように話してくれました。

「パジェロは三菱を代表するクルマのひとつであり、それが国内復帰を果たせることを本当に嬉しく思います。ずっと夢でしたし、非常に感慨深いですね。

 私にとってパジェロは一番身近な存在であり、40年以上前の初代から一緒に育ってきました。過酷なラリーでの相棒として、そしてプライベートでも、私の横には常にパジェロがありました。共に歩み、改良を重ねてきた歴史があります。

 今回の新型車は、パジェロの集大成とまでは言いませんが、すごくいい感じに仕上がっていますよ」

 増岡氏も絶賛する新型車は、高い堅牢性を誇る『トライトン』のラダーフレームをベースに専用開発されています。同社が誇る悪路走破性や耐久信頼性技術に、環境性能と安全・安心・快適を掛け合わせた新世代のフラッグシップが、間もなく私たちの前に姿を現します。

増岡浩氏「すごくいい感じに仕上がっている」と新型パジェロについてコメントをしてくれた
増岡浩氏「すごくいい感じに仕上がっている」と新型パジェロについてコメントをしてくれた

 今回のビジョンにおいて、三菱は「尖った商品・ブランドの強化によりお客様満足と企業価値をいっそう向上」させることをメインテーマに掲げています。

 商品戦略においては、自社の強みを最も発揮できる「アセアン商品群」と「オフロード商品群」の2つに経営資源を集中させ、今後6年間で合計13車種を市場に投入する計画です。

 新型パジェロはこのオフロード商品群の中核を担い、ブランド価値を高めるプレミアム戦略の重要な牽引役となります。

 グローバルな地域戦略においても、ブランドの強みを活かした展開が計画されています。

 発表によれば、成長が著しいフィリピン、ベトナム、日本に対しては成長投資を重点的に配分する「重点国」と位置付ける一方で、市場ポテンシャルの高い中東や中南米(ブラジルなど)については、三菱のブランド力を最大限に活かして「育成国」として事業拡大を図るとしています。

 特にブラジルでは、パジェロを核として築き上げてきた30年以上のユーザー接点を活かし、ブランド基盤をさらに強固なものにしていく方針です。

2030年代に向けた新中長期ビジョンを発表(画像は岸浦社長)
2030年代に向けた新中長期ビジョンを発表(画像は岸浦社長)

 また、新車販売にとどまらず、中古車販売や販売金融、アフターサービスといったバリューチェーン事業を強化することで、車1台当たりの価値を最大化していく姿勢も明記されました。

 このような華々しいブランドを軸とした成長戦略の根底には、収益体質の強靭化を目的とした構造転換への強い意思があります。

 三菱は、これまでの台数重視の安売りから脱却し、商品価値に見合った値付けを徹底する「収益アップ戦略2.0」を推進。

 さらに、部品・コンポーネントの共用最適化やグローバル調達戦略によるコスト競争力の強化を進めるとともに、生産能力などの固定費構造を見直し、事業規模に応じた損益分岐点の最適化を図ります。

 これらの戦略を着実に実行するため、三菱は2029年度までの4年間で約1兆円の成長投資を行うとともに、総額1000億円規模の株主還元を実施する計画を打ち出しました。

 財務面での数値目標としては、2029年度に営業利益1600億円、そして2030年以降には営業利益2000億円から2500億円を目指すとしています。

 今回発表された新中長期ビジョンは、地政学リスクの拡大や環境規制の変化といった不確実性の高い事業環境の中にあっても、三菱が自らの強みを研ぎ澄ませて力強く進んでいくという決意表明です。

 増岡氏が「PAJEROがもう一度、走り出す。」と宣言したように、その象徴として2026年秋に世界初公開の舞台へ舞い戻る新世代のパジェロが、どのような驚きとワクワクを私たちに届けてくれるのか、これからの動向からますます目が離せません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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