軽は風速35mで横転!? クルマは風速何mで横転するのか、様々な形状車種で調べてみた

車の形状によって、横転する速度は違う?

 強風時に高速道路を走っていると、車高の低いスポーツカーやセダンは比較的まっすぐ走っているように思いますが、軽のワンボックスやパネルトラックなど、車高が高く側面の面積が広い車は車線をまたぐレベルで横風の影響を受け、見ていてハラハラすることもあります。

高速状態で横から突風を受けた場合はさらに危険(画像:東京海上日動「風が強いときの安定走行とは」)

 そこで車両の形によって、横転する風速にはどれくらいの違いがあるのか、理学博士の羽鳥聡先生(若狭湾エネルギーセンター主任研究員)に計算式を出してもらいました。

 ここでは静止状態の車に横風が吹いたと想定して、あくまでも車の形状によってどれくらいの違いがあるのかがわかるように、結果を出していただきました。

 やはり車高の高い車、側面の面積が大きな車が横風の影響を受けやすいことがわかります。

 
 
    車種         全長×全幅×全高[mm]  地上高[mm]  車重[kg]  横転風速[m/s]
スズキ・ジムニーシエラ    3550×1645×1730     210     1070     35.6
ランボルギーニ・ウラカン   4506×1924×1165      -        1422     58.1
トヨタ・カムリ        4910×1840×1445     145     1570     46.3
ホンダ・ステップワゴン    4760×1695×1840     155     1780     37.7

 数値はあくまでも「静止状態」で横転する風速の目安となります。またウラカンなどのスーパーカーは走行中、前からの風に対しては空力を良くする作用が働きますが、横からの風に対してはほとんど対策がなされていないので、意外と横からの突風に弱いという話もあります。

 また、前述で出した車種別の横転する風速は車が走行中の場合、これらの風速以下であっても突風を横から受けると速度が速いほど車体が回転する遠心力が強く働くので、ハンドルを取られやすくなります。

 車線をまたぐほどに流され、車体がコントロールできない横滑り状態になると、車体が傾きやすくなり、パネルトラックやワンボックス車など横風を受ける面積が大きければ低い風速でも横転する危険性が高まります。

 つまり静止状態であればびくともしない風速であっても、速度が上がるにつれ横転の危険が高まるということです。前述に例を出したジムニーシエラの場合、静止状態で横転する風速の目安は35.6m/sですが、時速40km/h程度で走行していると、条件によっては風速20m/sでも、横転する危険があるということになります。

【了】

横転する風速の計算を図でわかりやすく解説(6枚)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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