ライダー談義の必須ワードは“ハチハチNSR” これを知っていれば、もうアナタはバイクツウ!!
バイクにコンピューター……!? 当時は衝撃すぎた
バイクファンに衝撃を走らせたのが、87年の終わりにデビューした88年式NSR250R(MC18)です。発売してまだ1年しか経っていないNSRを、いきなりフルモデルチェンジ。キャッチコピーを「PRO SPEC」とし、フレームは極太の異径五角断面材を用いたアルミツインチューブ式で、後輪にはまだ市販車では珍しかったラジアルタイヤを履き、フロントには制動力とコントロール性に長ける対向ピストンキャリパーを装着しています。
市販二輪車としては初のコンピューター制御によるキャブレター(吸気機構)を採用し、さらにCDI式の点火システムや可変排気孔バルブシステム(RCバルブ2)、オイルポンプなど、吸気→点火→排気といった一連を総合的にコンピューター制御していたのも話題を呼びましたが、レーシングマシンと瓜ふたつなスタイルも人気に火をつけました。
傾斜したフロントカウルには小さなヘッドライト、シートカウルには二眼式のテールライト。灯火類や計器類を取り外せば、即レーサー仕様になるような仕上がりで、実際にその走りはSPレースやローカル選手権で常勝を誇り、セールスでも歴代トップの2万台を超えていきます。
その頃、世界選手権(グランプリ)を走っていたマシンと同じロスマンズカラーのNSR250 SPも上級モデルとしてラインナップされ、量産市販二輪車としては世界初のマグネシウム製ホイールを履いたことで乾燥重量はたったの126kgでした。
走りの性能はもちろん重要ですが、見た目がレーシングマシンとそっくりなほどよく売れたのが、この時代です。スタイルはもちろんのことカラーリングもレーサーに似せ、スポンサーロゴが大胆に入ったモデルを次々に市場へ投入していきます。