これは“小さな高級車”! 「ノートAUTECH」速攻試乗で違いを徹底検証 [PR]
走りも専用チューニング!「ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC」
ノートAUTECHにはガソリン/e-POWER、FF/4WDと豊富なラインナップが設定されていますが、筆者(山本シンヤ)のお勧めは、走りの部分に専用チューニングが施されている「ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC」です。
フットワーク系は質量やバランスまで考え、効果的な部位に追加されたボディ補強(フロントクロスバー、フロント&リアメンバーステー、センタートンネルステー、テールクロスバー)、専用16インチアルミホイール(切削光輝)+195/55R16タイヤ(ヨコハマDNA-S.drive)、専用チューニングのサスペンション&電動パワーステアリングなどをプラス。
パワートレインは専用VCMでEV特性をより活かしたセットアップに変更されています。具体的にはアクセル操作に対する加速レスポンスや、回生ブレーキの減速度を際立たせ、スポーティなドライビングにも応える制御に変更。またe-POWERの特徴の一つである「3ドライブモード」も専用チューニング(ECOはノーマルと同じ)になっています。
ノーマルとの走りの違いは交差点を一つ曲がるだけ解ります。パワートレインはゼロ発進や再加速時の力強さが増していますし、ブレーキングはノーマルより減速Gが一定で車速コントロールがしやすいので、ノーマルよりもリズムよく走ることが可能です。
フットワークはステアリングからの情報がシッカリしていること、ボディがガッチリしていること、ロールスピードが安定しているのでコーナリング時の不安な感じが少ないこと、サスペンションがしなやかに動き、路面をシッカリと捉えている感じなど、基本性能のレベルアップはもちろん走りの質感も高められています。そういう意味では、欧州車の匂いが少し感じられる乗り味なのかなと。
乗り心地はノーマルよりも若干硬めになっていますが、路面の凹凸の吸収性の高さや目線のブレにくさ、アタリの柔らかさなどなど、体感的にはノーマルより快適です。直進安定性も高まっているので、高速道路を使った長距離移動ではインテリジェントクルーズコントロールも相まって、疲れ具合が全然違います。
ただ、欲を言うとワインディングや長距離では力不足のシートは、専用品を設定してほしいと思います。じつは東京オートサロン2018に展示していたコンセプトモデルには、レカロ製シートが装着されていたのですが、オプションでもいいので追加設定してほしいところです。またプレミアム性を高めるためには静粛性アップや、プレミアムオーディオ設定と言った、走り以外の部分の専用アイテムを投入できると、AUTECHらしさは更に引き立つような気がします。
とはいえ、見た目はクールなプレミアム。走りは芯の太い走りを備えた「ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC」、実は日本車では数少ない「小さな高級車」と言ってもいい存在かもしれません。
【了】
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。