開発中のクルマを大公開! オシャでカワイイ”DAMD”のクルマたち! クオリティ高い”ボディキット”の秘密とは【PR】
ジムニーをモチーフにしたジムニーを
――そしてジムニーの「ザ・ルーツ」がありますね。
徳田:これは僕の思いつきであり、また僕の趣味でもあるんですが、ジムニーをジムニーでオマージュしたいと思ったんです。ですから「ザ・ルーツ」。
初代のLJ10と呼ばれるジムニーが、まだ縦スリットグリルになってない時代をイメージしています。またジムニーの始祖となる「ホープスター」から受け継がれた印象を再現するために、グリルの枠をちょっと飛び出すという工夫をすれば可能だと思いついて表現しました。そうしたことから、「リトル」シリーズとは全く違うラインとして、ザ・ルーツという名前で作ったキットです。
演出としてはサビを模した塗装や、黄色いボディカラー、ルーフ周りの幌っぽい塗装を用いています。これはダムドのスタッフたちが意見を出し合って、ジムニープロショップのアピオさん(神奈川県綾瀬市)にも協力いただいて作り上げました。
ここまでこだわるのは、ジムニーが好きなお客様は特に目が厳しいので、ちょっとでも中途半端なことをやると「いままでジムニーをやってこなかったショップがやったんだよね」と軽く見られてしまうからです。それはダムドとしては違うと思いますし、もちろんプライドもあります。そして何よりお客様に満足してほしいので、全てをやりきるように、設計のエンジニアも含めかなり意識して開発しました。
――そもそもジムニーのデザインは、歴史も意識してデザインされていると聞きます。それを踏まえながら、改めてザ・ルーツを作ることはとても苦労されたのではないですか。
徳田:はい、苦労したことはいっぱいあります。たとえば、LJ10はグリルの先端が尖がって三角形になっていて、一方バンパーは真っ直ぐという構成なのですが、当時は全部のパーツが分離されていて、バンパーは鉄のものが後からつけられていましたので成立していたんです。しかし現行車のグリルとボンネットは四角いので、そこを我々は樹脂で型を起こしてLJ10のように中央が少し尖ったようにデザインしなおし、バンパーは真っ直ぐにしています。
さらに我々は、鉄ではなく樹脂で各々のパーツを作ることにもこだわっています。普通のディーラーで買うクルマと同じようにお客様に気軽に楽しんでもらうためには、樹脂を使って表現をすることが重量やコストなどでメリットが大きいからです。そのため雰囲気作りにはかなり苦労しました。
安全運転支援システムにも手抜きなし
――最近のクルマは安全運転支援システムが充実して来ています。そのあたりはどのようにクリアしていますか。
徳田:ジムニーはほぼカメラなので問題はありませんが、N-VANの場合はバンパー下部にレーダーセンサーが入っています。これを殺してしまうのは簡単なんですが、使いたいというお客様はもちろん多く、当然、使った方が安全です。そこで実際にこのレーダーセンサー部分だけ素材を変えて対応しています。そのために、センサーがしっかりと反応するか、エラーが出ないかを、何百kmといろんな場所を走り回ってチェックしています。
さらに販売後でも、お客様や販売店からエラーが出るという情報があり次第、スタッフがその場に行って確認したり、写真を見たり、現物を送ってもらいもう一度走って検証します。とにかくカスタムしたからという理由で何か機能がなくなることがないように、きちんといまの安全性能を守るように行っています。
ですから、車検は完全に対応するように作っています。ボンネットのボリュームを出したときでも、「直前直左」といわれる車両の前方と左方の決められたエリアにポールなどを置いて視認性を検証し、そのうえでリフトアップは何cmまで大丈夫かというアナウンスもしています。そうすることでお客様がベース車両の時と何ら遜色なく使えるように、全てを意識して作っています。
――ダムドはパーツ供給という形とともに、コンプリートカーでの販売もされています。これはどのような戦略なのでしょうか。
こういったカスタムカーを色々な人に乗ってほしいですし、特に若い人にも乗ってほしい。そのために、リテラシーなどなくても乗れるという状況をこちらが作ることで、カスタムカーを所有するハードルを低くできると考え、ディーラーで買ったクルマと同じように、ダムドのキットをつけた状態のコンプリートカーを、ディーラーと提携して販売してもらえるようにしました。私たちはクルマを売らずに、一生懸命マーケティングして、魅力をいっぱい伝えることに徹し、「そのクルマが買える環境」だけはクルマの販売のプロの方々にお任せして、お客様と接していただくようにしています。
もちろん、パーツ単体でも買えます。たとえば、いまハスラーを持っているけどカスタムを検討したいといった方も、ダムドのホームページをご覧いただけば、見積もりから塗装取り付けまで含めてワンプライスで出るようになっていますし、取り付けのショップも紹介しています。
新規モデルも続々と
――ではこれから先の話を聞かせてください。
徳田:2023年の「オートサロン」を目指しているキットで、ハスラーの第3のモデルを開発中です。カラビナ、クラシコに続くモデルで、『カントリー』という名前です。
これもカラビナやクラシコと同じように、バンパーとボンネットは共通で、グリルだけが変わっている状態です。カラビナは結構硬派でワイルド、クラシコはかなり可愛くて優しい印象なのですが、その中間の「カワイルド」、可愛いワイルドなものがないと思ったのが始まりです。ライトとグリルを囲うガンメタリックの枠に網状のグリルが真ん中にあるという構成で、なるべくシンプルにクラシックに作ったのがこのカントリーというキットです。
――ちなみにカントリーのモチーフは何でしょう。
徳田: 1番近いのは「ランクル40」のイメージです。ただし我々のキットは、あるクルマをオマージュするというよりは、その年代の特徴を取り入れていくものです。
ですから、たとえばカントリーだと、グリルのシンプルな形はランクル40のオマージュが入っていますが、メッシュは全然違って、1990年代前半の「パイクカー」などのイメージです。これは、現在から見れば少し古いクルマたちが、さらに古いクルマをモチーフにしていたもので、その世代に見られるようなメッシュ形状を意識しています。
また、グリルとバンパーの間のインテークも、いまでは滅多にやらない手法ですが、イタリアのフィアット「パンダ」などに見られる左右非対称のインテーク穴が、私にはすごく新しく見えたもので、それらを組み合わせていまのボディと馴染むようにしています。
もうひとつ、実はヘッドライト下に段をつけた形状の加飾が入っています。これはカラビナにも入っているんですが、カントリーには横向きの筋を入れています。この処理は、現代のカーデザインの基本手法のひとつなんです。その部分を本当にブラックアウトさせたい時にやる手法で、わざと面をガタガタさせて光を拡散させているのです。昔であればここは抜けていて、奥にある機械部品が見えていたのですが、いまは埋めなければいけませんので、そういう感覚に近づけて、本格的な印象を出すという特徴を入れています。
――最後に読者やユーザーの皆様にひと言お願いします。
面髙:カントリー以外にも2023年の「オートサロン」「オートメッセ」には色々と新作を出す予定ですので、ぜひダムドブースにご来場ください。
徳田:これらの新しい開発に目処が立ったタイミングで、ホームページに告知をいたしますので、YouTubeや、Instagramなども含めてご覧いただけたら嬉しいです。
それから、私はダムドというブランドを、ファッションとしてお洒落に見せたいと思っています。そのファッションのような感覚で、懐かしい、いまの言葉でエモいというものを楽しんでもらいたいんですね。最近は若いお客様も増えて来ていますし、見に来てくださる方もすごくお洒落な方がいらっしゃいます。そういう方々が普通のクルマではなく、ちょっとしゃれている、何かユニークというポイントで選んでもらえるように、私はザ・ルーツをはじめ、ほかのキットもアピールしたいと思っています。
一般的に、いわゆるボディキットを取り付けると、どうしてもあと付け感がついてまわるものです。それは本来のデザインの完成度が高いということもあるでしょうが、パーツの精度や作り込みの部分が弱いという側面もあります。
しかし、ダムドのクルマたちを見ていると、全くそうは感じません。その理由はここまでいろいろと語られていたように、自動車メーカーの品質を確保していることにあります。同時に、元自動車メーカーに在籍していたデザイナーの視点で、違和感のない面の構成やボディライン作りに注力しているからです。そうすることで、自動車メーカーが作った新たなラインナップに見えるレベルの完成度を誇っているのです。
ほかとはちょっと違うクルマに興味があれば、一度ダムドのクルマたちを見てみることをお勧めします。きっと、このクルマでどこへ行こう、何をして遊ぼう、と夢が広がることでしょう。