マセラティ ギブリ(Ghibli)に用意された3種類のモデルを解説【PR】
1914年にイタリア北部の都市、ボローニャで創業したマセラティ(Maserati)は、ラインアップにスーパースポーツカー、SUV、そしてセダンを2モデル用意しています。今回は、その中でもセダンのギブリ(Ghibli)に注目してみます。
クラフトマンシップに則ったモデルを多数ラインアップするマセラティ
イタリアはドイツやアメリカ、そして日本などと並んで多くの自動車メーカーが存在する国です。大衆車のメーカーだけではなく、名だたるスーパーカーメーカーや高級スポーツカーブランドが多いのもその特徴で、「マセラティ」もそのひとつ。
クルマ好きにとって“スポーツカーの街”といってもいいイタリア北部の都市、ボローニャに同社が創業したのは1914年のことでした。
当初は市販車のレーシングチューンやレーシングカー製作をメインに事業をすすめてきた会社(1950~60年にはF1にも参戦した)だけあって、2016年にSUVの「レヴァンテ」が登場するまでは、長きに渡りクラフトマンシップに則った高級スポーツカーとスポーツセダンだけをラインナップしてきた歴史も大きな特徴といえるでしょう。
そんなマセラティの現在のラインナップは、スーパースポーツカーのMC20、最高峰スポーツセダンのクアトロポルテとギブリ、SUVのレヴァンテ、計4モデル。今回は、その中のギブリ(Ghibli)に注目してみます。
マセラティの中でも一番身近な存在である「ギブリ」の特徴とは何か
ギブリとはどんなクルマか?をひとことでいえば、“もっとも身近なマセラティ”と表現していいでしょう。
2021年モデルの価格をみると、ギブリは同社のラインナップのなかで唯一1千万円を割り込む価格で提供されているモデルです。
そんなギブリはスポーツカーの伝統を受け継ぐドライバーズセダンであり、同時にSUVのレヴァンテとともにマセラティの屋台骨を支える主力モデル。2013年のデビュー以来、10万台以上がオーナーの手に渡ってきました。
車格としては「メルセデス・ベンツEクラス」や「BMW5シリーズ」、そして「アウディA6」などと同じEセグメントで、ギブリは全長4971mm×全幅1945mmの堂々としたボディサイズです。
ギブリはイタリアらしいダイナミックなデザインと上質なインテリア、そしてスポーティな走りが特徴的ですが、実は最新の2021年ラインナップでは大きなトピックがありました。なんと、マセラティ史上初のハイブリッドモデルが加わり、電動化の世界へと足を踏み入れたのです。
マセラティ史上初のハイブリッドモデル「ギブリ ハイブリッド」
ギブリ ハイブリッドが搭載するエンジンは4気筒のターボで排気量は2リッター。といっても最高出力は330馬力/最大トルク450N・mと排気量を感じさせないハイスペックを誇り、そこに48Vで作動するモーターを組み合わせている、いわゆる「48Vハイブリッド」を成立させました。
ギブリ ハイブリッドの最高速度は255km/h、停止状態から時速100kmまでの加速はわずか5.7秒で、そんな俊足ぶりからも、ハイブリッドとはいえ単なるエコモデルではないことが理解できるのではないでしょうか。
高級スポーツカーブランドにハイブリッドとは、少し前では考えられなかった組み合わせであることは間違いありません。しかしこのところ自動車業界では急激に電動化(EVだけでなくハイブリッドなどモーターを駆動力に組み込むすべての車両が相当する)が進み、スーパーカーでもハイブリッドモデルが珍しくなくなりつつある状況。
そんな背景を考えれば、マセラティにハイブリッドカーが誕生するも必然だったといっていいのかもしれません。いずれにせよ、新しい選択肢は歓迎したいところです。
最高出力580馬力を誇る最高峰、ギブリ トロフェオ
そして何を隠そう、最新のギブリにはパワートレインにおいてもうひとつ大きなニュースがあります。それは、ギブリでは最高峰となるV8エンジンの初搭載です。
2021年モデルから加わったV8エンジン搭載のギブリ トロフェオは、マセラティが設計しフェラーリの工場で生産される排気量3.9LのV8ツインターボエンジンを組み合わせたモデル。
最高出力580馬力/最大トルク730N・mという強靭な心臓を組み合わせた、セダンの皮を被ったスーパーカーといっていいでしょう。これは、ハイブリッドと対極になるポジショニングのフラッグシップです。
最高速度は326km/h、0~100km/h加速はたったの4.3秒。MC20のようなスーパーカーを除けば、史上最速のマセラティといえます。
ベーシックなギブリでも350馬力の俊足! さらに4WDもラインナップ
もちろん、従来ながらのV6エンジン搭載モデルも引き続き用意しており、ベーシックなギブリでは排気量3リッターのV6エンジンから350馬力を発生させます。さらに、430馬力を発生する高出力仕様のギブリSに加え、ギブリとしては唯一、駆動方式を4WDとしたギブリ S Q4も選ぶことができます。
マセラティにおいて中心的なセダンとなるギブリは直4エンジン+モーター、V6エンジン、そしてV8エンジンと3タイプのパワートレインで展開。ハイブリッドから、最高峰の動力性能を誇るトロフェオまで、選ぶ人の好みに応じて選ぶことができるのです。
しかしギブリのどのパワートレインを選んでも、エネルギッシュな感覚と、爽快な走り、そして情熱的なレーシングスピリットが濃く注がれていることはいうまでもありません。
[Text:工藤貴宏 Photo:Maserati]
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。