メルセデス・ベンツ新型Cクラス ナンバー1であり続けるため「改善は止めない」

メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」は、日本国内で累計約6万9千台(190クラス含む)を販売している人気車種です。新型「Cクラス」の開発チーフエンジニアに今回採用された機能や将来の電動化についてお話を聞きました。

最適な方法で電動化を進めているメルセデス・ベンツ

 メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」は、日本国内で累計約6万9千台(190クラス含む)を販売している人気車種です。今回、大幅な改良を受けたメルセデス・ベンツ新型Cクラスの発表会で、ドイツ本国のダイムラーAGで Cクラスのチーフエンジニアを務めるクリスチャン・フリュー氏に、直接話を聞くことができました。

発表された新型「Cクラス」

――まずは新型「Cクラス」の注目すべきポイントを教えてください。

 新型で最も注目してもらいたいポイントは、新しい4気筒ガソリンエンジンです。おそらく販売の30~40%を占めることになると予想しています。EQブーストによって半電化されたこのパワーユニットは、今までに無いドライビングフィールに加えて、低燃費と優れた環境性能を実現しています。さらに部分的にハイブリッドとして走行し、減速時にはエネルギーを回生し、一定の条件下ではエンジンが停止してコースティングも行います。

 将来的な電動化に向けて、内燃エンジンも進化しているのです。俊敏な走りを実現していながら燃料消費量は少なく、環境に優しくローエミッションなのです。

――シャシー面の変更はありますか?

 正直に言えば、コンフォートシャシーについては最適化していますが、大きな変更はありません。ただ、スポーツシャシーについては、進化しています。これまでスポーティな走りを求める多くのお客様がAMGラインを購入していたのですが、快適性については不十分と考えていました。ハンドリングはスポーティなのですが、ロングドライブにはハードすぎました。新型ではそこを改善しています。

――テレマティクスが進化しましたね。

 新しいインテリアや新世代のテレマティクスですね。フルスクリーンのメーターパネルや、ボイスコントロール機能を含むモダンな操作ロジックは、メルセデスの最新世代のものを採用しています。

 助手席マッサージ機能もボイスコントロールで操作できます。その他にも、様々な車両セッティングを音声で切り替えることが可能です。これらは日本市場において重要なインフォメーションになると考えています。

――「EQブースト」と呼ばれる48V電気システムを使用したマイルドハイブリッドシステムは、今後採用モデルがさらに拡大するのでしょうか?

 我々は既にSクラスの6気筒モデルを48V化し、マイルドハイブリッドとしていますが、モデルによって異なる方式を採用しています。Sクラスではエンジンとトランスミッションの間にISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を配置して、エンジンのアシストとエネルギー回生を行っています。

 今回のCクラスは、ベルトを介してクランクシャフトにモーターを接続するBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)です。BSGの採用により、よりコンパクトな設計が可能になりました。今後も同様に各モデルに最適な方法で電動化を進めていく方針です。

――日本市場では新型Cクラスの顧客層をどのように想定していますか?

 日本市場でも、ドイツと同様のお客様を想定しています。セダンは50歳前後の男性が中心で、ステーションワゴンは40歳代のファミリー層、クーペとカブリオレは子離れした50歳代以上の趣味に時間とお金を使うことができる夫婦といったところです。

 カブリオレは女性ユーザーも比較的多くなることを期待しています。いずれにしても、それぞれのお客様のライフスタイルに合ったモデルを選んでいただきたいと思っています。

「Cクラス」チーフエンジニア クリスチャン・フリュー氏

「Never Stop Improving(改善を止めることはない)」というキャッチフレーズの下で、現時点で最良のCクラスに進化したと自負するフリュー氏の言葉には、自信が溢れていました。Cクラスは今こそ注目すべき時なのかもしれません。

【了】

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