話題の「公道カート」 未来のモビリティともいえる代物だった
最近、都心部でよく見かけるカート走行。一見、軽やかに走行していますが、公道を走るにはどのような条件があるのでしょうか。
カートが公道を走っていい条件
最近、都市部では有名ゲームキャラクターのコスプレをしてカートで走行するところを見かけることが多くなりました。元々、カートはサーキットなどに併設されているカート専用のコースで走行することを想定されているものであり、公道走行は前提とされていません。
では、公道走行がまったくの不可なのかというとそうではありません。ある特定の条件を満たしてナンバープレートを付けることで、カートでも公道走行が可能となります。
一般的な50ccのエンジンを搭載したカートの場合、まず道路交通法上は、50cc以下のエンジン(もしくは定格出力0.6kW以下のモーター)を搭載する車両は、「ミニカー」という区分で扱われます。50ccというのは原動機付自転車(原付)と同様ですが、ミニカーの運転には普通自動車免許が必要です。
一方で、原付のように二段階右折、速度制限(30km/h)はないほか、ヘルメットの着用義務もありません。実際に、速度を出せるかどうかは別として、法令上は最高60km/hで走行することが可能です。
ミニカーに該当するのは、カートだけでなく、農耕作業用車両やゴルフ場などの場内移動用車両(ゴルフカート)、配達用に使われている超小型EV車、一部の輸入車両などが含まれます。
より厳しくなったカートのルール
来日外国人の方を、中心に人気を博している公道カートですが、ユーザーが多くなり活発になるほど、事故のリスクは増加します。実際に、カートに関連する事故が増えていることから、国土交通省ではすぐに法整備を進め、ルールの厳格化をおこないました。
2018年4月より施行された最新のルールでは、公道を走るカートに対して次の内容が義務付けられました。
・被視認性向上部品の設置義務化
・夜間被視認性向上灯火器の義務化
・座席ベルトの装備義務化
・頭部後傾抑止装置の装備義務化
・かじ取り衝撃吸収構造の義務化
・回転部分の突出を禁止
官公庁特有の言い回しのためわかりにくいところもありますが、簡単に言えば、「日中でも夜間でも見えやすくするランプを付けること」「シートベルトを付けること」「ヘッドレストを付けること」「ハンドル部分が衝突時にショックを吸収できるようにすること」「タイヤがむき出しにならないようフェンダーを付けること」となり、クルマのルールに近づけています。