TOYOTA GAZOO Racing（TGR）は2025年9月18日、四駆スポーツカー「GRカローラ」にさらなる改良を施した“進化版”を発表しました。

　同日より受注が開始され、11月3日に発売される予定です。

　GRカローラは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を体現するモデルとして2023年にデビュー。

「カローラスポーツ」の5ドアハッチバックボディをベースとしながら、レース現場からのフィードバックを活かした技術を随所に投入しました。

　そのうえで、「GRヤリス」譲りの1.6リッター直列3気筒ターボ「G16E-GTS型」エンジンと、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を組み合わせることで、最高出力304ps、最大トルク370Nmという卓越した走行性能を実現。

　常に進化を続けており、2025年3月にはトルクを400Nmへ向上させたほか、8速AT「GR-DAT」を追加設定するなど、大幅な改良が実施されました。

　また、シャシ剛性の強化やABS制御の見直しに加え、日本仕様にはリミッター解除などが可能になる「サーキットモード」も新設定されています。

　そして今回、スーパー耐久シリーズといった国内モータースポーツでの過酷な実戦投入を経て、再びGRカローラは深化を遂げました。

　今回の改良のポイントのひとつは、ボディ骨格の強化です。サーキット走行で発生する強烈なGに対し、より安定した挙動を実現するため、フロントボディやフロア、リアホイールハウス周りを中心に構造用接着剤の塗布範囲を従来比で13.9m延長。

　これにより、重量増を最小限に抑えつつボディ剛性を高め、日常のドライブからサーキットまで、あらゆる場面でドライバーとクルマの一体感を向上させています。

　パワートレインにも手が加えられました。長時間の全開走行時でもエンジン性能を最大限に引き出すため、エンジンが高回転時に作動する2次吸気口に、フロントグリルから直接外気を取り込むクールエアダクトを追加。

　吸気温度を効果的に引き下げることで、高温環境下でもエンジン出力を安定させ、本来のポテンシャルを余すことなく発揮させます。

　また、ドライビング体験の質を高める改良も施されています。メーカーオプションの「JBLプレミアムサウンドシステム」にはラゲッジスペースにウーハーが追加され、9スピーカー構成へと進化。同時に「アクティブノイズコントロール」のチューニングも見直され、エンジンからのこもり音が低減されました。

　さらに、このJBLシステム装着車には、新たに「アクティブサウンドコントロール（ASC）」が装備されます。これはアクセルやシフト操作に応じて最適なスポーツサウンドをスピーカーから発生させる機能で、ドライバーは車両の状態を直感的に把握できるというもの。

　特にアクセルオフ時には、モータースポーツを彷彿とさせるバブリング音を演出し、レーシングカーのようなサウンド体験を安全に味わうことが可能です。

　最新版GRカローラの価格（消費税込）は、6速MT車が568万円、GR-DAT車が598万円です。

　なお、これまで課題だった供給体制も見直され、より多くのファンにこのスポーツカーを届けられるようにすると言います。

　加えて、TGRは既に販売されたGRカローラに対しても、ソフトウェアアップデートを実施することを発表しました。

　これにより、既存のオーナーもトルクアップやGR-FOUR制御の変更といった、2025年3月改良モデルと同等のスペックへ向上させることが可能になります。

　わずか9か月という短い期間でさらなる改良が発表されたGRカローラに対して、ネットではさまざまな反響が寄せられました。

「これは良さそう！」「走行性能が上がったのいいな」「前回がめちゃくちゃ大規模で、それからそこまで時間は経ってないように思いますが、今回もかなり大掛かり。トヨタの本気を感じます」など、さらなる改良モデルの登場を歓迎する声が届いています。

　また、「値段据え置きならいいのでは？」「GRカローラが安く感じる」など、各部が進化したにも関わらず、価格が上昇していないことも話題となっているようです。

　ほかにも、「ディーラーでやってもらえるアップグレードプログラムいいなあ」「初期型モデルのソフトアップデートキター！ やるぞ！」「2023年発売モデルもトルクアップとGR-FOURの制御が変更できるなんてスゴい！」など、販売済みのGRカローラに対する“神対応”ともいえるアップデートにも注目が集まりました。