トヨタの英国法人は2025年6月23日、本格クロスカントリー車「ランドクルーザー」に、商用向けの2人乗り仕様「ランドクルーザー コマーシャル」を追加し、同年8月1日に発売すると発表しました。

　ランドクルーザーは1951年に登場した通称「トヨタ・ジープ」（BJ型）を起源とし、70年以上にわたって堅牢なラダーフレーム構造と優れた悪路走破性を武器に、世界中で信頼を積み重ねてきたモデルです。

　現在は用途や市場に応じて、フラッグシップ系（300系）、ヘビーデューティー系（70系）、そしてライトデューティー系（250系）の3つの系統に分かれて展開されており、今回英国で発表されたコマーシャル仕様はライトデューティー系をベースにしています。

　英国では、この250系を「ランドクルーザー」の車名で販売しており、日本のように数字を使っていません。コマーシャル仕様では、後席を廃し、前席2名分のみを残して荷室スペースを最大化。荷室のサイズは長さ1685mm×幅1286mm×高さ1090mmで、容量は最大2000リッター（VDA方式）です。

　商用車としての使い勝手を追求するため、荷室には頑丈な床材や荷物固定用フックを装備。キャビンとの間にはスチール製のバルクヘッド（仕切り）を設け、リアウィンドウには外からの視認を防ぐパネルを採用するなど、積載性と安全性を両立させています。これらの改装作業は、ダービーシャー州バーナストンにあるトヨタ・マニュファクチャリングUK工場で実施されます。

　パワーユニットは既存のモデルと同じ、2.8リッター直列4気筒ディーゼルエンジンで、最高出力204馬力、最大トルク500Nmを発生します。組み合わせられるトランスミッションは8速AT、駆動方式は4WDです。価格は5万1729.17ポンド（約1000万円）。将来的には2.8リッターディーゼルエンジンのマイルドハイブリッド仕様が設定される予定です。