トヨタ斬新「スライドドアSUV」が凄い! 全長4.3m“ちょうどいいサイズ”×カクカクボディがカッコいい! 2リッターハイブリッド4WDの“SUVミニバン”「Tjクルーザー」とは
トヨタがかつて披露していたコンセプトカー「Tjクルーザー」とはどのようなクルマなのでしょうか。
現実味があった「SUVミニバン」 今こそ欲しい
今年の10月に開催が予定されている「ジャパンモビリティショー2025」。その前身となる「東京モーターショー」にも、これまで多くのコンセプトカーが展示され、毎回話題を集めたのでした。
コンセプトカーのなかには、どう見ても現実的とは思えない、まさに「コンセプト」といえるモデルだけでなく、まもなくの登場を予感させる現実的なものまで幅広く、実際に後に市販されたモデルも数多く存在しています。
そんな現実的なコンセプトカーの中で、未だに登場を期待する声を聞くことができるのが、2017年回のトヨタブースに展示された「Tjクルーザー」というモデルです。

Tjクルーザーは発表当初、新ジャンルのクロスオーバーコンセプトとアナウンスされていました。
車名の「Tjクルーザー」とは、アクティブに使い倒せる“TOOL-BOX”の「T」と、クルマと様々な場所に出かける楽しさを意味する“Joy”の「j」に、「ランドクルーザー」「メガクルーザー」など、トヨタのSUVラインナップで伝統的に使用してきた“CRUISER”の名称を用いて力強さを表現したもの。
ボディサイズは全長4300mm×全幅1775mm×全高1620mmと、取り回しやすい比較的コンパクトサイズに、バンのようなユーティリティの高さを感じさせるスクエアなキャビンに、SUVらしい大径タイヤによるしっかりした足回りと、力強いフロントマスクを融合したエクステリアデザインを採用。
さらに、ミニバンのような両側スライドドアを持ち、日常での使い勝手も高めていました。
一方のインテリアは座席シートの裏側やデッキボードなどに多数の固縛ポイントを採用。小さな荷物から長尺物まで自由に固定可能となっています。
また助手席側の前後シートはフルフラット化が可能な構造で、例えばサーフィンのロングボードなど、約3mまでの長尺物であれば、室内への積載が可能となっているのも大きな特徴でした。
この助手席側をフルフラットにすることができるモデルとしては、今ではホンダ「N-VAN」が知られるところですが、2018年7月にN-VANが登場する以前に存在していたというのも驚きです。
そんなTjクルーザーですが、発表の時点でボディサイズのほか、詳細なスペックが公表されていたのです。
プラットフォームには次世代の「TNGAプラットフォーム」を使用する想定であることや、2リッターエンジンにモーターをプラスしたハイブリッドシステムのパワートレインを採用すること、そして駆動方式は前輪駆動および4輪駆動が用意される予定であるとされ、かなり現実的なモデルであることが感じ取れました。
しかし、残念ながらその後は追加情報なども全くなく、公開から7年以上が経過した現在まで登場する気配すらありません。
SUVテイストを持ったスライドドアモデルといえば、今のところは三菱「デリカD:5」があるのみで、もはや独壇場といえる状況。
仮に登場すれば大きな反響があったことは間違いないだけに、市販化の気配が感じられないのは、残念でならない1台といえるのではないでしょうか。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
たられば記事なら素人でも書ける!プロならプロらしい記事を書け!と言ってもド文系の貴方がたには無理ですね。