14年ぶり復活! 三菱「新型グランディス」まもなく登場へ! 日本導入にも期待の「家族向けモデル」7月発表! 「懐かし車名な欧州新モデル」 そもそもどんなクルマだった?
三菱の欧州法人は2025年に、新型「グランディス」を発売すると発表しました。かつて日本でも販売されていた車名が復活することになりますが、そもそもグランディスとはどのようなクルマだったのでしょうか。
まさかの「グランディス」復活! どんなクルマだった?
三菱自動車ヨーロッパは2025年2月18日、2025年に2台の新型コンパクトSUVを発売する予定であることを発表しました。そして、7月に発表され晩秋にも発売される新型車のティザー映像を明らかにしました。
この新型コンパクトSUVは、ルノーグループで生産されるとアナウンスされているため、昨年5月にルノーが欧州で発表した「シンビオズ」をベースとしたOEMモデルとなるのではないかという見方が強まっていますが、注目すべきはその車名です。
なんと「グランディス」という名前が与えられるというのです。

グランディスとは2009年春ごろまで日本市場で販売されていたミニバンに与えられていた車名。その前身は1983年2月に発売された「シャリオ」に遡ります。
シャリオは、当時の三菱の4ドアセダンとして販売されていた「トレディア」のシャシを流用して作られた3列シートミニバン。
これを聞くと、特段今ではなにも珍しくない成り立ちとなっていますが、当時の3列シート車といえば、商用ワンボックスカーをベースとしたものが一般的でした。
そのため乗用車感覚で乗れるミニバンとしては、同時期の日産「プレーリー」と合わせて、非常に画期的なモデルだったのです。
1991年5月に2代目となったシャリオは、1995年5月にスポーツセダン「ランサーエボリューション」にも搭載された高性能の2リッター4気筒インタークーラーターボエンジン「4G63型」と4WDシステムを搭載した「リゾートランナーGT」も新設定。
当時、変わり種の俊足ミニバンとして一躍注目を集め、今でも根強いファンを持ちます。
その後の1997年10月、3代目へとフルモデルチェンジを果たしたシャリオは、新たにサブネームを付けられて「シャリオグランディス」へと進化。
当時、ミニバンブームの火付け役となったホンダ「オデッセイ」が高い人気を誇っていたため、3ナンバーサイズのボディや3リッターV型6気筒エンジンを搭載する高級グレード「ロイヤル」をラインナップするなど、オデッセイを強く意識したのでした。
そして2003年5月にフルモデルチェンジを実施したタイミングでは、車名からシャリオが外れ、単に「グランディス」に変更。
エクステリアデザインは当時の三菱車に共通する、スリーダイヤを強調した通称「ブーレイ顔」となり、エンジンも2.4リッターの直列4気筒に一本化。
また4WDモデルには走破性と燃費性能の両立を実現したとされる電子制御式の「マルチセレクト4WD」を採用するなど、非常に意欲的なモデルとなっていました。
しかし、当時起こったリコール隠し問題の影響などもあってか、日本国内の販売は低調となってしまい、海外仕様よりも早く2009年春ごろに終売となってしまったのでした。
今回発表になった新型グランディスは、若いファミリー向けのコンパクトクロスオーバーSUVだということです。
パワートレインはマイルドハイブリッドおよびフルハイブリッドの2タイプが設定され、先進機能では高度な運転支援システム(ADAS)やGoogleの内蔵など最先端のコネクティビティを実現したといいます。
これまでのグランディスとはキャラクターが異なるものといえそうですが、三菱らしい独自のエクステリアデザインが採用されることもアナウンスされており、どのようなデザインになるのでしょう。
日本導入があればグランディスとしては16年ぶりに名称が復活しますが、ぜひとも期待したいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
シャリオ(3列シート5ナンバー)→シャリオグランディス(3列シート3ナンバー)→グランディス(3列シート3ナンバー)と3列シートであるファミリーユースの車であるというキャラクターを確立してきたのだから、そこは守って欲しいと思う。