買ったアルファードが「盗難車」だった? 購入代金390万円は返金されるのか? 見た目は30系も車体番号は20系の謎… 巷で流行る「目玉抜き」とは
トヨタディーラーの協力で本来の車台番号が判明! その後返金はされたのか?
そこで実行したのは、ディーラーにAさんのアルファードを持ち込んで本来の車台番号を調べてもらうことでした。
詳細は割愛しますが、事情を話したところディーラーで快く調べていただけることになり、すぐさま、「30~」からはじまる本当の車台番号が判明しました。
また、運転席を外した形跡があり、車台番号が貼り換えられた際の傷も確認できました。
筆者とAさんはその番号を持って運輸支局に行き、「登録登録事項等証明書」を取り寄せたところ盗難情報が設定されていることがわかりました。
履歴によると、2023年12月に大阪市内で盗まれており、2024年3月に被害者が契約していた保険会社(あいおいニッセイ同和)の名義に代わっていたのです。
つまり、この時に被害者に対して保険金が支払われたことになります。
Aさんのアルファードは確実に盗難車であることが分かったので、筆者とAさん夫婦、【新宿109】KENZOの3名などは神戸に向かいました。
Aさんは「友人がアルファードを買いたいといっている」といって売人を呼び出すことに成功。
本当に「返金してくれるのかどうか?」の不安もありました。
これまで500回以上の「突撃」をして総額1億円以上の返金を実現してきたKENZOチームも、盗難車の購入代金を返金させるのは初めてとのこと。
結論から言うと、スリリングな展開も随所にありましたが、お金は売人が所属する会社の前で390万円現金できっちり返金されました。
そのあと、そのアルファードは警察署(兵庫県警葺合警察署)に押収され筆者はAさんに付き添って警察での事情聴取も行いました。

この時の様子は【新宿109】KENZOの動画で見れますが、コメントの中には「なぜ、盗難車とわかった時点で警察に届けないのか!」という内容がいくつかありました。
しかし、今回の突撃の目的はあくまでも「390万円の返金」です。
警察に届け出たところで、絶対に返金はされませんし、Aさんからアルファードが没収される可能性もありました。
そうなるとAさんは390万円が返ってこないどころか、購入したアルファードも警察に押収されて戻ってこない可能性もあったのです。弁護士や運輸支局にも事前に相談のうえで実行した作戦でした。
今回は盗難車であるという確実な証拠を確保したうえで交渉したこともあって、売人が返金してくれることになりましたが、これはなかなか稀なことです。

※ ※ ※
ネットで知り合った人から現金手渡しでクルマを購入することは非常に危険です。どれだけ条件の良い話でも絶対にやめましょう。
昨今、逮捕事例も数件あるように目玉抜きのアルファードが関西圏を中心に一般ユーザーに対しても流通しています。
クルマは信頼できるディーラーの認定中古車を購入するのがベストだと筆者は考えます。
少し高くても安心度の高い中古車店で万全な保証を付けて購入することをお勧めします。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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