日本勢は本当に苦戦している? トヨタ・ホンダ「新型車」続々投入!? 世界最大の市場で“1番売れている”意外な日本車は? 中国新車販売の現状はいかに

いまでは世界最大の自動車市場と言われる中国。同時に中国発の自動車メーカーが相次いで登場しており、以前よりは日本メーカーの勢いは落ちており、苦戦を強いられています。そんな中国新車販売の現状はどうなっているのでしょうか。最新データを読み解いていきます。

中国新車販売の現状は?最新データを読み解く

 中国汽車流通協会は2024年10月、同年1-9月期における新車乗用車の小売販売台数が1557.4万台を記録したと発表しました。
 
 そのうちの713.1万台が「新エネルギー車(含PHEV・BEV・FCEV)」に分類され、全体の約45%を占める計算となります。

まもなく中国で販売されるトヨタ新型「bZ3C」(撮影:加藤博人)
まもなく中国で販売されるトヨタ新型「bZ3C」(撮影:加藤博人)

 2024年9月単体では210.8万台の新車乗用車が販売されました。これは同年8月の190.7万台と比べて+10.6%となり、乗用車市場における緩やかな販売回復を見せています。

 9月の販売台数のうち、98.5万台がガソリン車やハイブリッド車、112.3万台が新エネルギー車という状況で、もはや新エネルギー車のほうが新車市場で売れていることは常識となります。

 より詳しく見ていくと、新エネルギー車のうち64.1万台が純電動の電気自動車(BEV)である一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)などは48.1万台を記録しており、市場ではまだまだPHEVの需要が依然として高い形です。

 新エネルギー車のみならず、新車乗用車市場全体での圧倒的なトップを誇るのがBYDです。

  BYDは2024年9月に41万9426台の新車を販売、2024年1月からの累計販売台数は274万7875台となりました。

 この数字は前年同期比で+32.13%の成長を記録しており、2024年全体の販売台数は350万台を突破すると言われています。(2023年の累計販売台数は302.4万台)

 BYDの業績は凄まじく、その勢いは2024年9月中国メーカー別新車販売ランキングにおいて2位に位置した「ジーリー(吉利汽車)」の20万1949台と比較しても一目瞭然です。

 ジーリーはBYDと異なりガソリン車やストロングハイブリッド車もまだ販売しているので、全体のうち新エネルギー車が占める割合は約45%、9万1134台となります。

 ただ、この数字は傘下に収めるボルボやロータス、プロトンといった海外ブランドを除く数字となります。

 これらを含めたグループ全体の新車販売台数は2024年9月で30万8119台、同年1-9月期で231万9664台を記録しました。

 中国メーカー以外で特筆すべきなのはテスラの存在です。テスラはアメリカの自動車メーカーですが、中国の上海にも工場を設けており、中国向けの生産だけでなく各市場への輸出もおこなっています。

 テスラ中国は2024年9月にて8万8321台を生産、同年1~9月期累計では67万5758台となります。

 ただ、この数値は中国から輸出する個体も含まれているため、純粋な中国国内の販売台数ではないことに留意が必要です。

 では、中国の「新興EVメーカー御三家」として知られている「NIO」「シャオペン(小鵬)」「理想」はどうでしょうか。

 各社どこも先進的なパワートレイン設計やシャシー開発で知られており、欧州メーカーが中国で販売を予定する電気自動車の開発にも協力していたりと、注目度はかなり高い存在となります。

 ですが、一方で生産キャパシティはBYDやジーリーといった伝統的メーカーと比較すると限られています。

 例えば、新興EVメーカーの中でも数少ない黒字化を達成した「理想」は2024年9月の販売台数で5万3709台を記録しており、42万台に迫ったBYDの足元にも及んでいません。

 また、「NIO」は2万1181台、「シャオペン」は2万1352台と理想の半分以下という状況で、黒字化は依然達成できていません。

 これら新興EVメーカーは生産キャパシティが限られているだけでなく、販売するモデルの価格帯も比較的高めとなります。

 そのため、理想は2024年に同ラインナップ最小SUVの「L6」を、NIOとシャオペンはそれぞれ普及価格帯の商品群「オンヴォ(楽道)」「MONA」をそれぞれ投入したりと、ラインナップの多角化を図っています。

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1件のコメント

  1. 日本メーカーにとってグローバルな世界市場の中でも中国は最重要市場。EV中国車の台頭の中、日本メーカーの奮闘を期待。

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