SUVブームとディーゼルエンジンの火付け役、マツダ CX-5ってどんなクルマ
現在日本ではSUVがブームと言われていますが、以前はミニバンが販売の主力を担っていました。この人気の潮目の変化を振り返ると、2012年2月登場した初代マツダ「CX-5」このブームの火付け役といわれています。それではCX-5とはどんなクルマなのかチェックしてみましょう。
SUVブームと悪者扱いだった「ディーゼルエンジン」を普及させた立役者
「CX-5」の魅力とのひとつがルックスです。クルマは唯の移動の手段ではなく相棒の様な愛される存在でありたいという想いと、創り手が想いを込めてつくったものには心が宿るという日本ならではの精神論から生まれた魂動デザインで仕立てられたボディは、ミニバンはもちろん野生的な雰囲気が強かったSUVとはひと味違った存在感を放っていました。
また、技術面ではディーゼルエンジンの採用が話題となりました。それまでのディーゼルエンジンは力強さこそあるものの排ガスの後処理を課題として抱えていました。しかし、「CX-5」に搭載されたSKYACTIV(スカイアクティブ)D 2.2エンジンは燃焼を工夫することでNOx(窒素酸化物)の発生を抑えることに成功したのです。
魂動デザインとSKYACTIVというマツダの最新技術を一身に集めて登場した「CX-5」は、年々販売台数を伸ばし、マツダのグローバル販売の1/4を占める基幹車種へと成長。以降、「アクセラ」「アテンザ」「デミオ」「CX-3」「ロードスター」と新世代商品群の素早い展開へと繋げるきっかけにもなりました。その「CX-5」の新型が満を持して2016年12月に発表、2017年2月に発売されました。
新型では「すべてのお客さまを笑顔にするSUV」をキーワードに、デザインと技術のすべてを磨き上げ、あらゆる領域で「走る歓び」を深化させたと言います。
まずデザインは「洗練された力強さ」をテーマに、前後のトレッドを約10mm拡大しつつ、ボディの曲線美を強調するために無駄を削ぎ落として立体感を強調し、力強さと美しさを兼ね備えたフォルムを構築しています。
さらに、ボディサイドのプロポーションを流麗にすることでスピード感を、顔つきもより鋭さを増し、先代よりも引き締まった印象を見る者に与えます。また、ボディカラーでは、深みとつや感を強調してエネルギッシュさを際立たせる「ソウルレッドクリスタルメタリック」を新たに開発しました。
インテリアでは、左右対称に配置した操作機器や計器類をはじめ、体幹を支えるフロントシートやパーツ形状の最適化による振動および騒音の抑制など、初代から重視していた「人間にとって自然な運転姿勢」を踏襲するとともに乗員全員がドライブをゆったりと楽しめるような工夫が随所に施されています。
また、インテリアの加飾パネルには新開発のフィルムを採用。12層の印刷とコーティングを重ねることで、シンプルな木や金属とはひと味違う味わいを見せています。デザイン面での改良が目立ちますが、もちろん実用性も抜かりなく、荷室は定員乗車時でゴルフバッグが4つ、72型のスーツケースを3個が入る容量(505リットル)が確保されています。