高速SA・PAが「花火鑑賞の穴場」の時代は終わり!? 長時間占拠&大混乱を防ぐ「目隠しネット」「入口封鎖」も登場で「前は楽しめたのに」残念がる声も
長野県の「諏訪湖花火大会」が、2024年8月15日に開催されました。中央道の諏訪湖SAでは、花火を見ようとする人が殺到するのを懸念し、「徹底対策」が取られました。こうした対策は各地で始まっているようです。
「SAで花火観覧はできません」
夏の風物詩である長野県の「諏訪湖花火大会」が、2024年8月15日に開催されました。
この花火は近くを通る中央自動車道からもよく見えることで有名です。しかし、今年は安全のため、「徹底対策」が取られました。
花火大会の当日は、例年昼頃から近くの「諏訪湖SA」にクルマを停め、SAの敷地内から花火を鑑賞しようとする人々でごった返します。
タダで花火を“特等席”で見られるとあって、近年は席取りならぬ「駐車場取り」が過熱。深夜までSAの駐車場を退出しない車両が続出し、本来SAで買い物やトイレ休憩をしたい利用者が、駐車できない事態が慢性化していました。
満車状態でどうにもならず、どこかの駐車スペースが空くのをSA入口でじっと待つ車列は、酷い場合は本線上まで達し、交通流に影響を与えるまでになり、SAとしての機能が果たせなくなっていました。
そのため、NEXCO中日本は2023年から、混乱防止や安全対策のため、事前に「諏訪湖SAでの花火観覧はできません」と呼びかけを行っています。
今年も「完全シャットアウト」として、テラス部含むSA内の外柵にオレンジ色のネットを張り巡らし、視界に花火が入ってこない措置を実施。
さらに、花火に向けてピークを迎える18時には、ついにSA入口を封鎖して、立ち入りすらできないようになりました。
SNS上などでは、SAでの鑑賞をあてにしていた人の声も見られ、「諏訪湖SAから信州そばを食べながら花火見るのがよかったのに見れなくなっちゃったか」「結局満車か…」「(目隠しがされて)諏訪湖SA上りの見物は絶望」「見られなくなってて残念」「アナウンスが鳴ってて退出させられた」など、残念がる人の声も見られます。
花火が終わった20時半には、諏訪湖SAの封鎖は終了。同支社は「諏訪湖SAをご利用予定のお客さまには大変ご不便をおかけいたしました」としています。
なお、どこかで見たいというドライバーは中央道以外でも依然多いのか、「橋の上で平然と路駐して見てる県外ナンバー」「上諏訪駅周辺が一年で一番治安の悪い日です。そこら中通行止めな上に『どこか停められないかな…』って彷徨う県外ナンバーがうようよしており道路事情は最悪です」「花火は綺麗だったけど悲しい事に路駐があまりに酷い….そこは歩道でしょ?って所にも止めてある」など、マナー無視の路上花火鑑賞に、懸念を抱くコメントも見られました。
同様の「花火時のSA・PA封鎖」は以前から徐々に行われはじめ、名神の大津SAや関門道のめかりPA・壇之浦PAを中心に、各地で実施されるようになっています。東海環状道の鞍ヶ池PAでも今年から、花火が見える小高い丘を封鎖し、花火目的の駐車を排除しています。
高速SA・PAに限らず、昨今の花火大会は「指定の有料観覧席」を拡大整備し、「タダ見客」の無秩序な鑑賞による地域住民への被害を抑える対策方針へと舵を切りつつあります。古くから「ハレの日」の代表格である花火大会ですが、羽目を外しすぎた客の振る舞いには、全国的にいよいよ目をつぶれなくなってきたのかもしれません。
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