渋滞時の「先頭合流」はズルい? 正しい? 多くの人がまだ勘違い… 効果抜群「ファスナー合流」とは!

高速道路の合流地点で「できるだけ早く合流しよう」と、“車列のすき間”に自由に入る行為は、渋滞を悪化させる原因になっていると言います。

ズルくない! スムーズな通行を実現する「ファスナー合流」とは

 高速道路の合流地点は、複数のルートから来たクルマが集まるため、非常に渋滞しやすいスポット。
 
 できるだけ早く合流しようとして、“すき間”を見つけたらすぐに入ろうとする人もいるでしょう。
 
 しかし実は、こうした「好きなタイミング」で合流する行為は、逆に渋滞を悪化させる原因になっていると言います。

加速車線の先まで行かず「好きなタイミング」で合流すると、渋滞の悪化を招きます!
加速車線の先まで行かず「好きなタイミング」で合流すると、渋滞の悪化を招きます!

 先述のような「加速車線の先まで行かずに好きな場所・タイミングで合流する方法」についてNEXO東日本や中日本は、一見スムーズには見えるものの「交通の流れが悪い状態」を招くと指摘しています。

 では一体どのような方法で合流するのが理想的なのでしょうか。

 渋滞中の道路状況改善につながる取り組みとして、NEXCO各社が推進しているのが「ファスナー合流」です。

 ファスナー合流とは、「加速車線の先端付近で“1台ずつ”交互に合流する」という合流方法。

 ファスナーを閉めるように加速車線の先端で交互に合流することから、この名前が付けられました。

 各車両が好きな場所で合流するのではなく、先頭から順番に合流することで、合流自体がスムーズになり、結果として交通の流れが良くなるのです。

 このファスナー合流の推進は、2021年ごろからが行われており、NEXCO各社は交互合流と表示された看板やLED表示板を設置。

 さらにNEXCO中日本では、加速車線側のポール部分を延長し、スムーズにファスナー合流ができるような対策も行いました。

 その結果、対策を行った場所では渋滞の改善が見られたそうです。

 このように合流地点の道路状況改善に貢献するファスナー合流ですが、加速車線の先頭まで進んでから合流することを「順番を抜かしているのでは」や「マナー違反では」と批判する声もあります。

 確かに、自分が渋滞でゆっくり進んでいる中で、後から加速車線を走ってきたクルマが、自分よりも先の場所で合流すると不満に思うかもしれません。

 しかし大事なのは譲り合いの精神です。場面が変われば、自分が「譲られる側」になることも忘れてはいけません。

 お互いがスムーズに気持ちよく走れるよう心掛けることが重要でしょう。

 また、ファスナー合流という方法があることを覚えておくことも大事なポイントです。

 ファスナー合流を知らなければ、「ずるい」という声がなくなりませんし、加速車線の先頭でのスムーズな合流が実現しません。

 まずは「ファスナー合流」の存在を把握しておくことから始めるといいですね。

※ ※ ※

 高速道路でスムーズな合流ができ、道路状況の改善にもつながるファスナー合流。

 夏のお出かけなど、高速道路を利用する際は役立つ知識です。

 本記事やNEXCOの企業サイトを参考に、ファスナー合流を理解しておきましょう。

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Writer: 大西トタン@dcp

(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

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