「愛車がゲームボーイで盗まれました。」 物理対策×電波遮断カンペキのはず… なぜ? 一方で「ランクル」発見出来た例も 盗難前後にやるコトは?

毎日のようにSNSでは愛車が盗難被害に遭ったという投稿が見られます。万全な対策をしているのにもかかわらず被害に遭う。最新の盗難方法とはどのようなものなのでしょうか。

最恐!GAME BOYなぜ生まれた? CANインベーダーとは何が違うのか

 近年、電子化が進んだクルマの窃盗手口は「リレーアタック→CANインベーダー→GAME BOY」と進化してきました。

 これらの手口で盗まれるのはスマートキーを採用する比較的新しい車種(トヨタやレクサスなど)が対象です。

 それぞれの手口と防盗対策、現状について改めて紹介しておきましょう。

最恐!GAME BOYなぜ生まれた? CANインベーダーとは何が違うのか
最恐!GAME BOYなぜ生まれた? CANインベーダーとは何が違うのか

 まず、リレーアタックはスマートキーから発する微弱な電波を特殊な機械で増幅させてキー解錠やエンジン始動を行います。

 スマートキーとクルマが近い位置、例えば一戸建てで敷地内に駐車スペースがあり、玄関やクルマのすぐ上の2階の部屋にスマートキーを置いているような状態で可能になる手口です。

 ただし、スマートキーを金属の箱(クッキーの缶や専用の電波遮断ケースなど)に保管していればほぼ防ぐことが可能です。

 またメーカーでもスマートキーの電波を弱める「節電モード」を新設定するなどして対策を講じています。

 一時期はリレーアタックによる盗難が急増しましたが、比較的簡単で安価な方法で防げることもあって昨今は激減しています。

 次にCANインベーダーです。

 リレーアタックに続いて2017年~2018年頃から増え始め、2020年後半から急増している手口です。

 CANとは 【Controller Area Network】を意味するIT用語でECU(電子制御装置)やエンジン、各種センサーなどの部品をつなぐ装置が一つの伝送路を共有します。
 その伝送路に特殊な機械で侵入し、ドアロック解除&エンジン始動する窃盗手口をCANインベーダーといいます。

 なおトヨタではCANインベーダー対策として2023年夏より純正セキュリティ「トヨタセキュリティシステム」(17000円~)をディーラーにてオーナーにのみ対面販売しています。

 また、トヨタ「ランドクルーザー300」では2022年11月1日製造車から、現行の40系アルファード、クラウン、プリウスには標準装備されています。

 標準装備されていないモデルについてはディーラーで「トヨタセキュリティシステム」(税込み17050円)の取付けが可能です。

 しかし、残念なことに一時期は効果を発揮していたようですが、すでにトヨタセキュリティシステム対応の窃盗ツールが2024年春頃から登場しています。

 CANに接続するタイプですが、GAME BOY同様にスペアキーの複製も可能です。

 そして最近耳にする機会が増えてるのが「GAME BOY」。

 2024年に入って急速に普及しているのが「GAME BOY」です。

 ドアハンドルを引いて発生する信号をGAME BOYでキャッチし、その情報を解析してスペアキーを作って自走で盗む手口です。

 CANインベーダーと違ってクルマに全く傷をつけることなく、スペアキーまで短時間で作れるところがポイントです。

 GAME BOYが開発された背景には前述した「トヨタセキュリティシステム」が関係しているという見方もあります。

 トヨタ純正のセキュリティシステムは当初、かなり防盗効果があったため、これに対応できる窃盗ツールとしてGAME BOYが開発された背景があります。

 正式名称はキーエミュレータ(鍵を複製する)で、GAME BOYは商品名です。

 現在、GAME BOY、GAME BOY2、GAME BOY-TEKの3種類があり、すべてトヨタ&レクサス用となります。
 それぞれ対応する車種が異なっており、新しい車種に対応するものはその分高額(最高約500万円)になっています。

 なお一時期簡単にできる対策として、カギを金属の箱に入れ電波を遮断するという方法がありましたが、CANインベーダーやGAME BOYによる窃盗では防げませんの注意してください。

【画像】「えっ…!」これがハンドル切断された「ランクル300」です(30枚以上)

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