東京モーターショー マツダブース コンセプトカーなどに見えた数年後のリアルとは?

提示するのは「現実的な」EVシフト

 そして筆者(山田弘樹:モータージャーナリスト)はこの「SKYACTIV-X」のプロトタイプ車を、マツダのテストコースで試しました。その印象をお伝えすると、確かに低速域ではディーゼルエンジンのような力強さがあり、アクセルを踏み込むとガソリンエンジンのように高回転(6000rpm以上)までこれが吹け上がりました。まさに両者のいいとこ取りをしたフィーリングです。

 当日はまだそのエンジン制御を試行錯誤している状況で、6MT/6ATの両方で数種類の内容をブラインド試乗したため、これは最もパワー感があった状況での印象をひとつ述べたに過ぎません。しかし次世代の内燃機関としてはマツダがひとつの指標を示したことは事実であり、これがおよそ1年半後の2019年に登場するとウワサされる「アクセラ」に搭載されれば、今回の「東京モーターショー」での布石が一致することになるのです。

プレスカンファレンスに登壇したマツダ 小飼雅道社長(2017年10月25日、石津祐介撮影)。

 マツダの素晴らしいのは、こうした環境技術やデザインが、全て「走る歓び」を源として発信されていること。省エネを謳っても、走る楽しさが失われていないことです。

 時代はEVへと急速にシフトしようとしていますが、現実的な生活での省エネルギー化にはまだまだ内燃機関の性能を極めることが必要です。そしてここに電動化を徐々に組み合わせて行くことで、リアリティのある省エネ化が実現されると筆者は思います。

 そしてマツダはこのSKYACTIV技術をはじめ、EV技術やディーゼル技術を適材適所で用いることで、それを達成しようとしています。それが今回長期ビジョンとして提案した「サスティナブル“ZoomーZoom”宣言2030」なのです。

【了】
提供:乗りものニュース

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Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)

自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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