東京モーターショー マツダブース コンセプトカーなどに見えた数年後のリアルとは?

話題の次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」を間近に!

 そしてこれらのデザインをより具現化するひとつの技術が、今回エンジンディスプレイと共に発表された「SKYACTIV-X」という技術です。

 これはマツダが提案する次世代のガソリンエンジン技術で、ひとことで言うと「ディーゼルエンジンの高トルクかつ低燃費な性能と、ガソリンエンジンのパワー感および伸びやかさ(気持ちよさ)を融合した理想的な内燃機関」です。

次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」(2017年10月25日、石津祐介撮影)。

 具体的にはディーゼルエンジンの圧縮着火をガソリンエンジンに応用し、少ない燃料でも高い出力が出せるようにすることがその狙いです。ちなみにその目標値は、ガソリンエンジンでの理想的な空燃比(14.7:1)を遙かに上回る「30(以上):1」だといいます。

 そのためにマツダは「SPCCI」(Spark Controlled Compression Ignition)という技術を用いました。これはスパークプラグによる点火で圧縮点火の手助けを行うもので、小爆発した膨張火炎球が筒内の空気を圧縮し、自然着火を補助します。そしてこのプラグ制御は、圧縮点火しにくい軽負荷時や高回転時、外気圧状況などをセンサリングして着火します。

 また広範囲でリーンバーン(希薄燃焼)を達成するために、「高応答エアサプライ」を用います。これは機構的にはスーパーチャージャーと同じ、強制的に空気を吸い込ませる過給器ですが、その目的は単なるパワーアップではなく圧縮点火を実現するために必要な燃焼状況を作り出すためのものなので、マツダは「空気供給装置」と呼んでいます。

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