「バナナの皮」で本当にクルマは滑る? ゲームでは見慣れた光景だけど…「実車」で試した結果とは!
テレビゲームなどでは、クルマが「バナナの皮」を踏んでスピンしてしまう様子が見られますが、実際にバナナの皮でクルマは滑るのでしょうか。
バナナで「6倍」滑りやすくなる!?
世界的な人気を誇る某キャラクターが登場するレースゲーム では、ライバル車をスピンさせるアイテムとして「バナナの皮」が登場します。
ゲーム中では、バナナの皮を踏むと豪快にスピンするのですが、実際にバナナの皮でクルマが滑ることはあるのでしょうか。
バナナの皮の滑りやすさについては、実際に北里大学名誉教授の馬渕清資氏が実験で証明しており、2014年にイグノーベル賞を受賞しています。
同研究では、靴で直接リノリウムの床を踏んだ時と、果物を踏んだ時との“摩擦係数”を比較研究したもの。
その結果、バナナの皮を踏んだ際の摩擦係数は、リノリウムの床と比べて6分の1、つまり普通の床よりも6倍滑りやすいということが判明したのです。
ただし、これはあくまでも「靴」でバナナの皮を踏んだ際の実験で、クルマでバナナの皮を踏んだ場合とは状況が異なります。
では、クルマのタイヤでバナナの皮を踏むとゲームのようにツルッと滑ってしまうのでしょうか。
実は「バナナの皮でクルマがスリップするのか」については、海外のYouTuberなどが数々の実験を行っています。
例えば有名なところでは、クルマを使ってさまざまな実験を行う動画を公開しているYouTubeチャンネル「Hoonigan」は、2018年にアウディ「RS5」を用いて実験用コースを走行し、通常時とコースに大量のバナナの皮をばらまいたときとのタイム差を計測するというテストを実施。
その結果は、コーナリングの際にバナナの皮でわずかに滑り、通常時よりも1秒遅いタイムを計測したものの、何度か計測を続けてもゲームのように派手にスピンすることはありませんでした。
また、大量にバナナの皮を敷いた場所からのスタートも試みましたが、若干ホイルスピンしたものの期待したような結果にはなりませんでした。
この結果から、ゲームのように派手にタイヤが滑るようにするには、さらに大量のバナナの皮が必要となるのかもしれません。
ちなみに、バナナの皮を道路に投げ捨てた場合、道路交通法第76条の4項の違反に該当し、5万円以下の罰金が科せられます。加えて、軽犯罪法にも問われる可能性もあるので注意が必要です。
そしてもし道路に落ちているバナナの皮を踏んでスリップや転倒事故などが起きた場合、事故を誘発したとして「バナナの皮を捨てた人」に責任が生じます。
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このようにバナナの皮は、ゲームのような大規模なスリップは引き起こさないものの、若干ですがタイヤを滑らせる効果があります。
また滑らなかったとしても、走行中に踏めばスリップ以外の何らかの悪影響が出る可能性があります。
たとえ「そう簡単には滑らない」とはいえ、違反に問われる場合もあるので、バナナの皮を道路に投げ捨てるのは絶対にやめましょう。
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