“日本で売るの?” なぜ「中国メーカー・ジーリー」が日本で試乗会開催? セダン&SUVのHV上陸!? 乗った印象はいかに

ジーリーの2台、乗った印象は? 実は中国メーカーは「内燃機関」にアツかった!?

 今回の試乗会は茨城県の「筑波サーキット」でスタート、ジーリー2車種をトヨタ「カムリ」やホンダ「CR-V」と比較し、その性能を確かめるという趣旨です。

 当日招かれたのはほとんどが中国メディアの人員(約100名)で、日本メディアは10媒体程度でした。

 筑波サーキットのTC2000コース上にはパイロンが設置され、それに沿ってスラロームや加速、ブレーキング、そして自由走行を体験できるプログラムです。

 両モデルともにスポーツ車種ではなく、本気のアタックには耐えられる性能を有していませんが、それでもエンジンとモーターそしてそれを支える3速DHTの優秀さは実感しました。

zジーリーのハイブリッドセダン「プリフェイスL」はどんな感じ?
zジーリーのハイブリッドセダン「プリフェイスL」はどんな感じ?

 今回ジーリーがこの2車種を持ち込んだのには何も日本への進出計画があるからではなく、中国内での純粋な販売促進のためです。

 参加者は限られていたものの、ハイブリッドを基軸にエンジンやトラスミッションの新規開発に力を入れているジーリーの技術における現在地を、少しでも日本のメディアに対して発信できた良い機会になったのではないかと思います。

 中国メーカーはよく「内燃機関が作れないからBEVに力を入れる」と言われがちです。

 しかし、実際には多くの中国メーカーはハイブリッド車のさらなる向上のために新たなエンジンを開発しています。

 またBEVよりもいまは内燃機関を搭載するプラグインハイブリッド車(PHEV)やレンジエクステンダー付EV(EREV)が勢力を増している印象です。

 ジーリーの場合は自社と傘下に収めるボルボ両方のエンジン部門を合併させ、2021年に新会社「オーロベイ」を設立しました。

 通常のガソリンエンジンだけでなく、ハイブリッドに最適なディーゼルエンジンや、代替燃料を用いる内燃機関、そしてハイブリッド専用トランスミッションを手掛けており、ジーリーグループ車種のみならず他社への供給にも意欲を見せています。

中国メーカーは意外にも「内燃機関」に力を入れている!?
中国メーカーは意外にも「内燃機関」に力を入れている!?

 これに加え、ジーリーは2023年7月にルノー・グループとエンジン生産のための新会社設立を発表しました。

 この合弁を通してプラットフォームやエンジン、トランスミッション技術の相互的な革新を図るとしており、内燃機関の明るい未来を感じさせるものでもあります。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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