なぜ軽自動車は「64馬力」が上限? エンジン出力向上&技術力も上がったのに… 「軽の最大出力」現状維持する理由とは
なぜ今も「64馬力規制」続く?
しかし、軽自動車については、現在もそのままの64馬力規制が続いています。これは一体なぜなのでしょうか。
明確な理由はないようですが、メーカーやユーザーの立場で考えてみると、64馬力規制が継続している理由が見えてきます。
1つ目の理由は、規制緩和すると軽自動車の税制面での優遇も見直されてしまうためです。
軽自動車のサイズや出力が大きくなった場合、普通乗用車のコンパクトカーとの差がなくなり、軽自動車を税制優遇する理由が消えてしまうのです。
さらに、メーカーの視点で考えると、軽自動車のユーザー構成を見れば出力向上を図る必要がないことがわかります。
現在の軽自動車のユーザーは女性が65%を占め、さらに44%は60歳以上です。
女性や高齢者が、軽自動車に必要以上の馬力を求めるとは考えにくいでしょう。
メーカーとしても、ニーズがそれほどない分野で自主規制を解除してまで開発を進める動機はありません。
また、最近のEV開発の進展も、馬力を上げる必要がない理由のひとつと考えられます。
軽自動車で馬力が足りないと感じるのは、主に走り出しの加速や坂道でのパワー不足でしょう。
このパワー不足については、実は馬力がそれほど高くなくてもトルクが大きければ解消できます。
なぜならばトルクとは、ものを回転させる力を表しており、自転車で例えるとペダルを踏み込む力がトルクで、加速力と大きく関係します。
一方、出力(馬力)とは、自転車ではペダルの回転数に相当します。
つまり馬力が大きいほど最高速度が速くなり、トルクが大きいほど加速力が高いと言えます。
近年ではEVの軽自動車も増えていますが、日産「サクラ」や三菱「eKクロスEV」のスペックを確認すると、馬力は47kW(64馬力)、トルクは195Nmあります。
馬力は64馬力の規制いっぱいではありますが、トルクの数値ではパワーのあるターボ搭載車をはるかに超えており、一例ではホンダ「N-BOXターボ」(104Nm)の倍近いほか、2リッター自然吸気エンジンの普通車とほぼ同等の数値です。
ターボ車も軽自動車のなかではトルクが高いですが、EVはさらにパワフルになります。
こうしたことから、普段使いの軽自動車でEVを選べば、加速が悪いといったことが気にならなくなることでしょう。
特に加速力不足がイメージされがちな軽自動車にとっては、EVの加速力は魅力的です。
今後、EVの販売が拡大していけば、馬力の規制を気にせずに軽自動車の運転を楽しめる時代になるでしょう。
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このように、昔ながらの規制が現状でも残っているために、今でも軽自動車のほとんどは64馬力が上限になっているようです。
乗用車では自主規制が撤廃されて20年が経過しますが、軽自動車ではあえて馬力を大きくする必要がないため、おそらく今後も継続していくとみられます。
軽自動車の馬力とトルクの向上は、必要であると思います。アルトワークスで、64馬力
スズキΓで、45馬力と成ってそれをまだ…続けてしまう事は、ユーザーから見ると技術者の
今後の開発に、エンジンが発展しないように
思えます。エンジンは、まだ進化して行く必要が、あります。
軽自動車が税制面で優遇されているのではなく、その他の車が高額な割り増し料金を払わされていると思っている。