スズキ新型「ジムニー5ドア」日本初公開! 「今年発売は?」 車中泊の快適性はどう? シレッと実車展示で話題に!
3ドアから拡大した室内空間…車中泊時の快適性はどう?
車内全長が拡大したことによるメリットは、他にもあります。それは車中泊時の快適性です。
今回はフルフラットにすることはできませんでしたが、前席・後席のヘッドレストを取ってシートを倒せば、3ドアモデル同様にフルフラット空間にすることができます。
3ドアモデルでは、荷室まで使うことでおおよそ180cmの長さの就寝スペースを確保できますが、身長の高い人だとリアゲートが頭に付き、ダッシュボードが足に触れてしまいます。
しかし、5ドアモデルはまったくそういうことがないと思います。大人2名で寝られる上に、多少の荷物を置くスペースも残りそうです。
意外だったのは、ラゲッジボックス&ツールボックスが無かったことです。
後端のフロア高は、はじめから開口部とほぼ同じ。そのため、ラゲッジボックス&ツールボックスを装着できるスペースがありません。
そのため、車載ツールを積む場所がなくなり、展示車両でも荷室に置いたままになっていました。
3ドアと5ドアのその他の差違は、フロアトンネル部のスイッチ位置、大型液晶モニターの標準装着(日本ではオプション化か)といった内装部分に加えて、カラードグリルの装着、前後バンパーの形状変更があります。
展示車両に付いていた「オールグリップ」のバッジは海外仕様向けのものですので、日本導入時には付かないと考えられます。
さて、5ドアモデルは想像以上に魅力的なものでしたが、3ドアモデルとの市場での差別化はどうなっていくのでしょうか。
3ドアは車内スペースユーリティの点で5ドアに後れを取っていますが、コンパクトなサイズによる軽快なドライビングフィールは武器と言えます。
狭い林道やオフロードなどでの機動性も、3ドアにアドバンテージがあります。
しかし、これは予想ですが、5ドアが悪路で運転しにくいかというと、それは別。
ロングホイールベース化したことで、重心が高いジムニーの弱点が解消されていることが考えられます。激しい凹凸地形では転倒が怖かった3ドアですが、その限界点が5ドアは上がっているのではないでしょうか。
また、レジャーに荷物がほとんど載らないというユーザーの不満の多かった3ドアに対して、5ドアはそれを多少解消できています。
展示車両のようにルーフラックを装着して屋根上を使えば、積載性は盤石のものになりそうです。また、4人乗車が現実的なものとなり、ファミリーユースが可能になりました。
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結論づけるなら、3ドアはパーソナルカーとして、5ドアはレジャーユースやファミリーカーという立ち位置になりそうです。
また3ドアには軽自動車版があるわけですから、シエラに関していえば5ドアの方に市場の需要が移っていくことが予想できます。
ちなみに筆者は日常的に1人で乗ることが多いのですが、愛犬がいるので間違いなく5ドアを購入すると思います。
5ドアであれば、仕事に使う撮影機材なども載せやすいですし、3ドアは助手席も使わないと載せられなかった脚立なども収納することができそうです。
噂では、早ければ2024年末に日本導入が開始されるかもしれないジムニー5ドアですが、発売前から大ヒットの予感がプンプンするモデルです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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