踏切前で「窓開け」しなかったら違反? 教習時に教わる行為も公道でやる人いない? 「窓開け」を推奨する理由とは
なぜ「窓開け」が誕生したの? そのワケはコレでした!
「窓開け」に関しては、国家公安委員会告示の「交通の方法に関する教則」が元となっており、教則の第6章第1節「踏切」という項目では次のように明記されています。
「踏切では、死亡・重傷事故のような大きな事故が起こりがちです。
踏切を通過しようとするときは、その直前で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。(条文を一部抜粋)」
交通の方法に関する教則は歩行者とドライバーが安全で快適なクルマ社会を築くための手引きであり、交通ルールを指導する場面で活用されています。
そのため自動車教習所においても、教則をふまえた「窓開け」による安全確認を教えているのです。
道路交通法上、クルマの窓を開けての安全確認は義務ではないものの、周囲の音がきちんと聞き取れる状態にしておくことは非常に大切です。
たとえば車内で音楽やラジオを大音量で流していると、警報機や電車の近付く音などに気付くのが遅れるおそれがあります。

過去には大音量の音楽を聞きながら原付を運転していた男子高校生が、遮断機が下りた後に踏切に進入して列車と衝突し亡くなる事故も発生しています。
踏切を通過する際には目視に加えて耳での安全確認をしたほうが良いでしょう。
※ ※ ※
交通の方法に関する教則では、前のクルマに続いて踏切を通過する場合でも安全確認をすること。
踏切の向こう側に十分なスペースがなければ踏切に進入しないことなどについても指導しています。
踏切事故は相手が列車であり大事故につながりやすいため、より一層の安全運転を心がけましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。














