ガラスの隙間から“クルマの内部”に入った「雨水」どうなる? 溜まって「サビ」の原因に!? 故障や劣化を防ぐ「ケア方法」とは
クルマのサイドウインドウには隙間がありますが、雨などの水がドアの内部に入ってしまい、クルマが異常を起こしたり、内側から錆びが発生することはあるのでしょうか。
ドアの隙間に入った「水」はどうなるの?
クルマの左右にあるサイドウインドウ(窓)を開けると、窓ガラスがドアの内部に格納されますが、この収納部分の隙間に雨などの水が入ってしまうことがあります。
この内部に入った水は一体どこかから出ていくのでしょうか。また、ドアの内部に水が溜まってクルマが内側から錆びることは無いのでしょうか。
窓が閉まっている状態では、窓枠の下側に付いているゴム製のパーツがガラスに密着し、隙間から水が入るのを防いでいます。
さらにこのゴムパーツは、窓を開けた際にガラスの水気を取り除く役目もあります。
しかし、窓ガラスを全開まで空けてしまうと、ガラスが全てドア内部に収納されることからゴムパーツと収納部の間に「隙間」が発生。
さすがに雨天時のようなクルマが濡れる環境で窓を全開にする人は少ないでしょうが、なんらかの拍子に隙間からドア内部に水が入ってしまうことはあるでしょう。
このような場合、入った水の行方は一体どうなるのでしょうか。ある中古車販売店の整備士に聞いたところ、以下のような回答がありました。
「もしドアの内部に水が入ってしまっても、基本的に全く問題ありません。
実際にドアの後方下部を見ていただくと分かるのですが、ここには小さな水抜き用の穴が開いていて、ドア内部に入った水が排出される仕組みになっているのです。
このようにドアの下部の穴は意外と大切な役割を持っていますので、DIYの『デッドニング(制振・遮音化)』などでも決して穴をふさぐようなことはしないでください」(中古車販売店の整備士)
設計の段階でこうした想定は当然のようになされているようで、水が溜まってしまうことはないようです。
しかし、水抜きの穴があったとしても、内部に水が入ってしまえば当然ドアの内側は濡れてしまいます。
ドアの内張りを剥がさない限り、水分を取り除くことは不可能のようにも思えますが、そこから錆びることはないのでしょうか。
先ほどの整備士に再び聞いたところ、「ドア内部は水が入っても問題が起きないよう基本的に防水処理が施されているものですが、まれに付着した水を原因として錆が発生することもあります。そのためクルマに長く乗り続けたい人は、事前に防サビ処理をしておくといいかもしれません」とのこと。
旧いクルマなどでは、長期間に渡って蓄積した泥や油汚れなどによって、水抜き穴の排水性能が劣り、内側から徐々に錆びてしまうことがあるようです。
これを防ぐために、ドア内部の防サビ処理は専用の「防サビ剤」を用いて行なわれ、ディーラーや整備工場などで依頼可能だといいます。
先出の整備士によると、だいたい1ドアで1万円から2万円ほどの料金で施工は完了すると説明します。
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このように窓の隙間から入った水は通常であれば心配する必要はありませんが、長い目で見ると、放置して良いともいえず、外側だけでなく内部のケアも大事ということが分かりました。
愛車を大切に維持したい人は、万が一に備えて内部の防サビ処理を検討してみてはいかがでしょうか。