超レトロな「丸目タクシー」実車展示! 豪華赤レザー内装が味わい深い! 岐阜市の交通イベントとは

「公共交通フェスタ」が岐阜県岐阜市で開催されました。最新自動運転バス5年間社会実証・出発式とレトロタクシーなどさまざまな乗り物が共演したイベントとは、どのようなものなのでしょうか。

レトロタクシーが展示されたイベントとは

 岐阜県岐阜市で、「公共交通フェスタ」が開催されました。
 
 最新自動運転バス5年間社会実証・出発式とレトロタクシーなどさまざまな乗り物が共演したイベントとは、どのようなものなのでしょうか。

これがタクシー? 超レトロなタクシーとは
これがタクシー? 超レトロなタクシーとは

 岐阜市は、岐阜県の県庁所在地で人口は約40万人。市街地道路や周辺高速道路の整備によって近年、交通の主体が乗用車へシフトが進んできました。

 一方で、繁華街が中心市街地から郊外へと移ったり、人口減少や地域住民の高齢化が進中でバスなど地域の公共交通利用者数も減少しており、岐阜市としては地域交通の再構築が喫緊の課題になっている状況です。

 そこで、岐阜市では2015年に「岐阜市みんなで創り守り育てる地域公共交通条例」を施行し、地域交通のあり方について岐阜市民や、その周辺地域の人たちにも理解を深めてもらおうという活動を進めています。

 さらに、2021年には岐阜市地域公共交通計画を作成したところです。

 そうした岐阜市の公共交通に対する施策について、分かりやすく紹介する場として「公共交通フェスタ2023」(2023年11月25~26日)を開催したのです。

 実施場所は、岐阜市役所とすぐ隣の「みんなの森 メディアコスモス」と「みんなの広場 カオカオ」。
 初日10時のイベント開始時点でも、親子連れなど多くの地元住民が訪れてました。

 その際、来場者の注目を集めたのが「自動運転バス継続運行開始」の式典でした。

「GIFU HEAT BUS(ギフハートバス)」と命名された3台のバスがお披露目され、柴橋正直市長らがアンベールを行ないました。

 ギフハートバスのデザインは、JR九州の「つばめ」や「ななつ星 in 九州」などをてがけた、水戸岡鋭治です。

 車両はフランスのNAVYA(ナビヤ)社の「ARMA(アルマ)」で、運行システム等を自動運転技術開発企業BOLDLY(ボードリー)が手がけています。

 走行ルートは、ふたつ。ひとつは、JR岐阜駅から、商店街がある柳ケ瀬、市役所、高島屋前、そしてJR岐阜駅に戻る市街地周回コース。

 もうひとつが、市街地周回に加えて、鵜飼観覧船がある川原町や岐阜城がある岐阜公園周辺を巡るコースです。2コースとも一般交通と同じ道路環境で、車内には運転者がいる自動運転レベル2での走行としています。

 市民や観光客が高度な自動運転を実体験できることに加えて、技術面では、路線バスドライバーの高齢化に伴うバスドライバーの成り手不足や、バスドライバーの運転支援として効果を発揮することが期待されています。

「ギフハートバス」は今後5年間、継続的に運行することが決まっています。

 今回、公共交通フェスタでは、自動運転バスの他にも、岐阜県バス協会、微府県タクシー協会岐阜支部、さらに岐阜連携都市圏からの協力を得て、路線バスやタクシーなどが展示されほか、銀行による移動ATM車や災害時に活躍するトヨタ「ハイラックス」ベース車両も出展されました。

 さらに、地元警察のパトカーや白バイには、子どもたちが乗り込んだりして、家族記念撮影に笑顔で応えるなど、場内全体が和気あいあいとして雰囲気に包まれていたのが印象的です。

 そんな会場内で、多くの世代の注目を集めていたクルマがありました。

 日産の前身のひとつであるダットサン製、1959年式「ダットサン1000」です。

 レトロタクシーと銘打っての展示車で、外装のみならず、内装も丁寧にレストアされており、年季の入った料金メーターも綺麗に修復されているのが分かります。

 出展した地元タクシー会社の日本タクシーに同車について聞いてみました。

「1950年に創業の同社の初期、実際に岐阜市内で運行していた車両です。

 普段は、同社本社の正面玄関に展示しており、車検をとっていないので公道での走行はできません。

 しかし、定期的なメインテナンスは行なっているためエンジンはちゃんとかかり、私有地内での走行は可能です」

※ ※ ※

 今回の公共交通フェスタ2023では、岐阜県タクシー協会が窓口であり、同社としてはこのレトロタクシーと現在使用しているジャパンタクシーを出展しています。

 今回の取材を通じて、岐阜市内をクルマで巡ると、高度経済成長期に連日多くの人で賑わった柳ケ瀬の商店街の情景を描いた、昭和歌謡の「柳ケ瀬ブルース」を思い出したり、河原町界隈では江戸時代の古い街並みが残っているなど、市内各所でレトロな雰囲気を感じました。

 個人的な要望としては、今回出展されたレトロタクシーなど、古き良き時代のタクシーやバスを期間限定でもよいので復刻させて定期運行すれば、最新の自動運転バスと共に岐阜市観光を盛り上げる一助になるのではないかと考えます。

 変わり行く岐阜の町の実状と今後について、岐阜市公共交通フェスタ2023を通じて肌感覚で捉えることができました。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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1件のコメント

  1. ダットサン210ではないかな?

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