飲酒検査の義務化「12月から」スタート! 対象となるのは? SNSでは「チェックして無いことに驚き」の声も
運転手の運転前と運転後のアルコールチェックが「白ナンバー」のクルマを一定台数以上使用する事業者に対して2023年12月から義務付けられます。具体的にはどのような取り組みがおこなわれるのでしょうか。
「白ナンバー」事業者にアルコール検査が義務付けられる
2023年12月から「白ナンバー」のクルマを一定台数以上使用する事業者に対して、運転手の運転前と運転後のアルコールチェックが義務付けられます。
では、具体的にはどのような取り組みがおこなわれるのでしょうか。
2021年6月、千葉県八街市において飲酒運転の「白ナンバー」トラックが下校中の小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷する事故が発生しました。
この事故を受け、警察庁は白ナンバーのクルマを一定台数以上使用する事業者に対し、2023年12月1日から運転の前後にアルコール検知器による検査を義務化すると明らかにしています。
そもそも白ナンバーとは白色のナンバープレートに緑色文字が刻印された自家用自動車のことをいいますが、自社の荷物を運ぶ自家用トラックや社用車などの意味合いでも使われています。
その一方、宅配のように客の荷物などを有料で運ぶ事業用トラックは「緑ナンバー」と呼ばれ、2011年5月からすでにアルコール検査が義務付けられています。
つまり12月から適用される制度では、白ナンバーを使用する事業所にも緑ナンバーと同様の安全対策が求められるということです。
では、具体的にどのような取り組みがおこなわれるのでしょうか。
まず大前提として「乗車定員が11人以上の自動車を1台以上」または「自動車を5台以上」(50ccを超える自動二輪車は0.5台として計算)使用している事業所では、安全運転管理者を選任しなければいけません。
たとえトラックやバスなどの大きな自動車を使用していなくても、白ナンバーの社用車を5台以上使っていれば対象となります。
安全運転管理者とは自動車の安全に必要な業務をおこなう責任者のことであり、運行計画の作成や点呼・日常点検をおこなうほか、運転手が飲酒していないかなどをチェックします。
なお、千葉県八街市の事故では、運転手の勤務先がこの安全運転管理者を選任していなかったことも大きな問題となりました。
2022年4月1日からは、安全運転管理者が運転手の運転前後の顔色や呼気の臭い、応答状況などを確認するほか、運転手の酒気帯びの有無を記録し、その記録を1年間保存することが義務付けられています。
実は、それと同時にアルコール検知器による検査も義務化される予定でした。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻の影響などで検知器に使われる半導体が不足し、対象の事業所でアルコール検知器を入手することが困難だったため、2022年4月の時点ではアルコール検査の義務化が見送られています。
そして最近になってようやくアルコール検知器が入手しやすくなったことで、2023年12月から白ナンバーに対するアルコール検査を義務化する運びとなりました。
12月からはアルコール検査に加え、安全運転管理者が正常に作動する状態のアルコール検知器を持っておくことも義務となります。
SNS上では、この制度に関して「むしろ白ナンバーに対してこれまでアルコールチェックをしていなかったことに驚き」「5台以上じゃなくて1台からでも検査すべきでは?」などの声が寄せられたほか、「記録の作成などが大変そう」という業務負担を心配する声も聞かれました。
さらに、「営業マンが社用車で直行直帰するときはどうやって検査するの?」「この制度では飲酒事故は減らなさそう」など実効性に疑問を持つ声もあります。
警察庁は運転手の酒気帯びの確認は対面でおこなうことが原則としつつも、直行直帰などで対面での確認ができない場合には、運転手に携帯型アルコール検知器を携行させた上、カメラやモニターで運転者の顔色、応答状況、検知結果を確認するといった方法をとるよう指導しています。
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2023年12月1日から、白ナンバーを5台以上使用する事業者について運転前と運転後のアルコール検査が義務化されます。
事業者や運転手にとっては負担が増えることになりますが、どの程度の実効性があるのか今後注視していく必要があるといえるでしょう。
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