6年ぶり全面刷新! ホンダ新型「N-BOX」は“見た目以上”に進化!? 「クラス超え」の安定感がスゴい! 先代からの進化点は?
ターボモデルはどう進化した?
続いてターボモデルに乗り換えます。
運転席に座ってあらためて感じるのは、視界の広さとスッキリ感。ダッシュボードが水平基調となり、シンプルな形状に整えられたこともあって、真正面はもちろん斜め前の見やすさもアップした印象です。
助手席側の死角をなくすために小さなミラーが付いているのはN-BOXの伝統で、その「ピタ駐ミラー」も進化。どこが映っているのかが直感的に分かりやすくなって、運転に不慣れな人でも安心して運転できるような配慮が感じられました。
ターボモデルの加速フィールはもはや、目を閉じて乗っていたら4気筒エンジンの乗用車だといわれても信じるのではないかというほど、余裕のあるトルクと全域でのなめらかさ、音を含めた質感の高さまで、さらに突き抜けたレベルになっていました。
市街地風のコースはもちろん、高速域でも回転数を抑えて走れるので、室内の静粛性も先程試乗した自然吸気モデルよりもっと静かです。
乗り心地や直進安定性、カーブの気持ちよさも格段にアップ。
これは、ターボモデルのみに施されたルーフライニングとボディの間に入れた遮音材や、ダンパー減衰力の変更、タイヤが15インチになったことも含めて、高速道路を多用したり長距離を走ることが多い人にも満足度の高いレベルを目指した結果です。
速度を上げていくにつれて、もっと重心が低いクルマを運転しているような感覚になってくるのも、新型N-BOXターボの魅力。
旧型はアライメント(タイヤの取り付け位置・角度など)がややトーアウト気味(クルマを上から見た際に進行方向に対して逆ハの字)だったところを、新型ではドライバーが乗った状態でほぼトーゼロになるように調整しており、ほんのわずかな差ではあるものの、そうした走行フィーリング向上につながっているのではということでした。
さらに、自然吸気モデルでも気づいていましたが、アイドリングストップからの再始動がまったく違和感なく、なめらかなことにも感心しました。
これこそが、先代からメカニズムを継承したことでやり遂げられた、さまざまな「雑味をとる」という進化のわかりやすい部分だといいます。
このほかにも、減速した直後に強い加速を必要とするようなシーンで、ドライバーが意図しない前後Gが発生してモタついたように感じる部分なども改良し、すべての動作が一筆書きのようにつながった走りができるようになりました。
これまでホンダは、どちらかというと飛び道具的な斬新な機能を採用したり、何かしら目で見ても新しい、わかりやすいものを提案することを得意としてきたメーカーですが、今回はそうではなく、先代では成し得なかった小さな穴を1つ1つ、丁寧にふさいでいくような地道なブラッシュアップをやってきたのだと感じました。
ライバルと乗り比べても違いはわかりますが、今回ばかりは先代のオーナーさんが新型に乗ったときに、いちばん違いを実感するような出来栄えではないでしょうか。
そういう意味で、N-BOX史上もっとも、見た目以上に乗った時の驚きが大きいのが新型N-BOXではないかと感じます。
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