なぜクルマに「フリーダイヤル」マーク存在? メーターにある「謎の線」はなんのため? ほとんどの人が知らない意味とは
メーターパネルに電話線のような警告灯が表示されることがあります。まるで「フリーダイヤル」のロゴのようなデザインのこの警告灯、いったいどのような意味があるのでしょうか。
フリーダイヤル?オレンジ色に光る謎の「電話線」とは?
一部のクルマのメーターパネルには、電話線のような警告灯が表示されることがあります。
まるで「フリーダイヤル」のロゴのようなデザインのこの警告灯、いったいどのような意味があるのでしょうか。
メーターパネル内の赤やオレンジの警告灯が点灯すると、クルマになんらかの異常がある可能性が高いことから、早急に点検をおこなう必要があります。
赤い警告灯はクルマに重大な異常が発生していることを意味しているため、ただちに運転を中止する必要があります。
一方、オレンジの警告灯は比較的軽微な異常であることを示していますが、そのまま放置しておくと重大なトラブルを引き起こす可能性があるため、やはり早急に点検を行わなければなりません。
各警告灯のデザインはほぼすべてのクルマで同じものが採用されているため、クルマを買い替える際にも混乱することはまずありません。
しかし、ある一部のクルマには、ほかのクルマではあまり見ることのない「電話線」のような警告灯が備わっています。
この警告灯のデザインは、NTTが提供している「フリーダイヤル」のロゴに非常によく似ています。
かつては車載電話を搭載しているクルマも存在していたことから、車載電話に関する異常を知らせるもののように思われますが、実際にはそうではありません。
「予熱表示灯」や「グローランプ」などと呼ばれるこの警告灯は、おもにディーゼルエンジン搭載車に備わっています。
ディーゼルエンジンの基本的な仕組みは、圧縮によってされた空気が詰まった燃焼室(シリンダー)に、直接燃料を噴射することで着火させるというものです。
通常、燃焼室内の空気は圧縮によって高温となっているため、噴射された燃料は自然に着火します。
一方、エンジンが十分に温まっていないと、圧縮した空気の温度が低下してしまい正常に着火しないことがあります。つまり、エンジンがかからないという事態が発生します。
その場合、グロープラグと呼ばれる小型の電気ヒーターのような部品が作動し、燃焼室内を一定の温度まで上昇させようとします。
一般的には、数十秒から数分程度で十分な温度へと上昇し、エンジンを作動させることができるようになります。
「予熱表示灯」は、このグロープラグが燃焼室内を温めている際に点灯します。
一部のモデルでは、「予熱表示灯」の点灯とともに「予熱中、お待ち下さい」などの文章が表示される場合もあります。
「予熱表示灯」は、氷点下を下回る外気温のなかで長時間エンジンを始動せずにいるなど、エンジンが完全に冷え切ってしまっている場合に点灯するケースが多いようです。
逆に言えば、真冬でも外気温が氷点下を下回ることがめずらしい地域では「予熱表示灯」を見る機会はほとんどありません。
また、そもそもディーゼルエンジン搭載車以外に「予熱表示灯」は備わっていないため、この警告灯を見ることのできる人はかなりレアと言えるかもしれません。
通常であれば、燃焼室内が十分に温まると「予熱表示灯」は消灯します。
一方、マツダでは「電源ポジションをONにしても点灯しないとき、または点灯したままのとき」もしくは「点滅しているとき」はシステムの異常が考えられるため、販売店での点検を受けることを推奨しています。
「予熱表示灯」が点灯しているあいだは、原則としてエンジンをスタートさせることはできません。
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ディーゼルエンジンはトラックなどの商用車に多く採用されてきたことから、そうしたクルマを運転する機会の多いユーザーにとって「予熱表示灯」は決してめずらしいものではありません。
日本では2012年ころからマツダや欧州系輸入車ブランドが積極的にディーゼルエンジン車をラインナップに加えたことから、「予熱表示灯」を目にするユーザーも一気に増えたようです。
トルクのある走りが楽しめることや、軽油を用いるため燃料費を抑えることができる点が特徴のディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンにはない独自の魅力があります。
一方、「予熱表示灯」に代表されるように、ガソリンエンジンとは異なる注意点もあることは覚えておく必要がありそうです。
フリーダイヤルw
確かに言われてみれば似ているな!