なぜ「ランクル」や「ジムニー」じゃない? “世界一の山”で活動する山岳救助隊がスズキ「クロスビー」を採用する理由

高尾山で活動する山岳救助隊は、ちょっと珍しい「クロスビー」というクルマを使用しています。一体なぜ、悪路走破性が高い有名な本格SUVではなく、可愛らしいクロスビーを採用したのでしょうか。

意外すぎ? 山岳救助隊が「クロスビー」を採用する理由とは

 2023年8月11日は「山の日」です。天気に恵まれた地域では、登山を楽しむ人もいるでしょう。
 
 そんな山の行楽を裏で支えるのが、登山者から救助要請を受けて急行する「山岳救助隊」。
 
 そして、山岳救助隊の出動と救助をサポートする専用の警察車両です。

高尾署山岳救助隊にも採用された スズキ「クロスビー」
高尾署山岳救助隊にも採用された スズキ「クロスビー」

 山岳救助隊は全国に置かれた警察の組織で、日本の首都である東京にも存在。

 毎週末に多くの観光客・登山客で賑わう高尾山から、深い山が立ち並ぶ奥多摩などでの救助要請に対応するため、警視庁は「高尾署」「青梅署」「五日市警察署」に山岳救助隊を置いています。

 その中でも、ちょっと珍しい警察車両を使用しているのが、高尾署の山岳救助隊。

 実は、高尾署山岳救助隊には2020年にスズキのSUV「クロスビー」が配備されており、年間300万人という世界一の登山者数を誇る高尾山で、クロスビーが活躍しているのです。

 クロスビーは、スズキのラインナップするコンパクトなSUVで、軽自動車SUVとして人気の「ハスラー」を大きくしたような、キュートなデザインと実用性の高いインテリアが特徴。

 しかし、本格的な悪路走破性を備えたSUVと言えば、トヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」、スズキ「ジムニー」などが思い当たるものです。

 そこであえてクロスビーを採用した理由が気になるところですが、これにはこの地域ならではの事情がありました。

 高尾山は、前述したように1年の登山者数が300万人にも上るため、同じ“山好き”と言ってもその層は様々。

 中には登山未経験という人も多いため、「ちょっと脚をくじいた」や「疲労で歩けなくなった」といった救助要請も少なくありません。

 このような救助要請では救急車を使うまでもないため、状況によってクロスビーの警察車両で救助をおこない、そのまま乗せて下山することもあるのです。

 このような状況で、ボディの大きなランドクルーザーやパジェロを出動させると、非常に狭い道が多い高尾山系では小回りが利かず切り返しが必要となり、不便なシーンも多いのです。

 一方、コンパクトでありながら高めの最低地上高が自慢のクロスビーであれば、狭い登山道でもスピーディに走って救助現場に向かえます。

 また、よりコンパクトな軽SUVであるジムニーやハスラーだと、今度はパワーが足りなかったり、3ドアゆえに救助者を乗せて下山する時に不便になってしまいます。

 そんな特殊な環境の高尾山系ゆえ、クロスビーが警察車両に最適として白羽の矢が立ったのです。

※ ※ ※

 多くの人で賑わう高尾山では、年間70回から80回救助のための出動があるといいます。 

 世界一登山者の多いこの山を誰もが楽めるこの環境は、高尾署山岳救助隊とクロスビーによって陰で支えられていることは忘れてはいけませんね。

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2件のコメント

  1. シエラじゃあかんの?

    • シエラはジムニーと車内寸法が全く同じだし3ドアだから負傷した人を乗せにくいでしょ(笑)

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