ビッグモーター「社長交代」で本当に変わるのか? 前社長&新社長はどんな人? 関係者に聞いた素顔とは
新社長の和泉伸二氏、新副社長の石橋光国氏はどんな人?
兼重親子が退陣して、新たな社長に就任した和泉伸二氏、同副社長の石橋光国氏とはどんな人なのでしょうか。
筆者がビッグモーターの不祥事取材を続ける中で関係者の口から度々彼らの名前は出ていました。
今回の就任についてビッグモーター関係者に話を聞いてみました。
「いろんな意味で思い切った人選だと思いました。
社長べったり、副社長べったりの側近役員もそれぞれ存在しますが、彼らが選ばれることはなかった。
和泉さんはかつて私の上司でもありましたが、男気のある人で人を引っ張っていく器がある人です。
石橋さんはバッシーとの愛称で呼ばれており、こちらも人柄の良さ、正直な性格は高評価です。
ビッグモーター再生のためには、兼重体制を極力断ち切る方向に行くべきです。
その意味でも和泉さん、石橋さんの2トップの存在は心強いですね。
2人とも自ら率先して不正を働いたり、不正を指示したりする人物ではありません。前途多難だとは思いますが、2人には頑張って欲しいです」
筆者も様々な取材を続けており、これまで100人近い関係者や被害者に話を聞いてきましたが、ビッグモーターの悪事は保険金不正請求にとどまりません。
むしろ、不正請求の現場となった「板金部門」の売り上げはビッグモーター全体のわずか6%前後です。
これまでもくるまのニュースでは触れてきましたが、クルマの買い取りや中古車販売、車検の現場において様々な不正が行われています。
ビッグモーターという会社は「法律より会社のルール」を優先するとんでもない会社です。
ネガティブなことには正面切って向き合うことはありません。お客からのクレームもほぼ対応しません。
「担当の営業が退職したからわからない」などの一点張りでとにかく逃げようとします。
最後に。筆者も参加した今回の会長記者会見で大きく評価できたことがあります。
それは報道関係者からの質問に「すべて」答えたということです。
質疑応答では多くのメディアが手を挙げて質問しましたが、その手が上がらなくなるまで全員の質問に答えていました。
その結果、会見終了予定の12時半を過ぎてすべてが終わったのは13時10分と予定時間を40分もオーバーしていましたが極力質問に答えようとする姿には好感が持てました。
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Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
自動車雑誌マガジンXはこの問題を1年以上前から取り上げてきたのにベストカ-はなぜ取り上げてこなかったのか?そしてなぜ今なのか?