スズキで全長5m! 過去最大サイズの「超大型SUV」がスゴい! 斬新ヘッドライトに“3列シート”装備した「XL7」の正体は

スズキと言えば、軽自動車「アルト」やコンパクトカー「スイフト」など、小型車イメージの強いブランドです。しかしその一方で、全長約5mという巨大なボディサイズのモデルも販売していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

小型車イメージのスズキに「デカすぎるSUV」あった!

 スズキといえば、1979年から44年間に渡って販売されている軽自動車「アルト」や、欧州車さながらのスポーティな走りと経済性から高い支持を受けるコンパクトカー「スイフト」など、比較的小型のクルマを製造・販売しているイメージの強いブランドです。
 
 しかしその一方で、全長なんと約5mという同社のSUV最大のボディサイズを誇るモデルも販売していました。

全長5m級の大型SUV スズキ「XL7」
全長5m級の大型SUV スズキ「XL7」

 そのクルマの名は「XL7」。

 北米・中南米をメイン市場に定めて開発された7人乗りの大型クロスオーバーSUVで、2006年4月にニューヨーク・オートショーで発表。同年10月よりアメリカとカナダを皮切りに各地で販売が開始しました。

 いま見ても斬新なデザインのフロントマスクやサイドビュー、リアコンビランプを備えており、ボディサイズは全長4995mm×全幅1835mm×全高1750mm。ホイールベースは2857mmと、歴代のスズキ車で最大となる堂々たるサイズです(商用車、トラックを除く)。

 元々XL7の名は、日本で「グランドエスクード」として販売されていたミドルサイズSUVの海外販売名として使用されていましたが、このモデルから完全に海外専売車として独立。

 当時スズキと米GMの合弁会社CAMI(カミ・オートモーティブ・インク)社が生産を担当し、GMグループのSUVであるシボレー「エクイノックス」やポンティアック「トレント」と基本構造を共有しています。

 そんな事情もあって、かなり大柄な車体のXL7にはスズキが日本の相良工場で生産した3.6リッターのV型6気筒DOHCエンジンを搭載。

 最大出力250馬力・最大トルク33.6kg・mという大排気量ならではの大トルクと、前輪駆動に加えて四輪駆動も選べることで、巨大なボディをグイグイと加速させる性能を備えていました。

 そんなXL7を足がかりに、スズキも今後は大型車市場への参入を強めるのかと自動車業界内にも期待が高まりましたが、2007年9月にアメリカを起点とした世界金融危機(リーマン・ショック)が勃発。

 メインとしていたアメリカ市場で大型車の需要が急激に冷え込むことになり、この影響を真正面から受けたXL7も販売不振に陥ってしまいました。

 翌年2008年にはXL7の生産を終了し、続く2009年には生産を担当していたCAMIの全株式をGMに売却。

 一時は年間総生産数4万5千台を計画し、今後中南米地域以外への展開も予定していたXL7は消滅。「スズキ最大のSUV」としての希望は、CAMIの終焉とともに儚く散っていったのでした。

※ ※ ※

 そんなXL7ですが、約11年後の2020年に新たな歴史がスタートします。

 XL7の車名を継ぐSUVが、スズキのインドネシア子会社(スズキ・インドモービル・モーター)から発表・発売されました。

 しかしこちらは同名とはいえアセアン地域を対象としたモデルであり、車体サイズや構造において、アメリカンな雰囲気をもつ先代との直接的な共通性は見られません。

 2007年の世界金融危機は、スズキに限らず様々な自動車メーカーの生産計画にまで影響を与え、XL7以外にも数多くの大排気量モデルやスーパースポーツカーが生産終了あるいは開発中止に追い込まれました。

 歴史に「もし」は無いと言いますが、もしもあの出来事が起きずXL7の生産が順調に続いていたとしたら、スズキは大型SUVや大排気量モデルを数多くラインナップするメーカーへと変貌を遂げていたのかもしれません。

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