日産を変えたカルロス・ゴーン氏、CEO退任までの18年間の功罪

ゴーン氏が日産CEOを退任しました。経営危機に陥っていた日産はこの18年間でどのように息を吹き返し、そしてどう変化したのでしょうか。

カルロス・ゴーン氏、日産CEOを退任

 2017年2月23日(木)、日産は同社CEOがカルロス・ゴーン氏から西川廣人氏に変わることを発表しました。ゴーン氏は引退ではなく、ルノー・日産・三菱自動車のアライアンス全体を率いることに。つまり、階段をさらに一歩上に上がったのです。

 そんなゴーン氏の率いる、ルノー・日産・三菱自動車のアライアンスにおける2016年の自動車販売数は約996万台でした。気がつけば、業界トップ2のフォルクスワーゲン(1031万台)とトヨタ(1017万台)に、あと少しで手が届くところまできています。カルロス・ゴーン氏が日産にやってきた1999(平成11)年のころを考えれば、なんという違いでしょう。当時の日産は、まさに倒産寸前だったのです。

 ゴーン氏がやってくる直前の日産の「1998年の実績(見込み)と1999年の計画」には、当時の日産は年間約280万台を生産し、そのうち約100万台を日本国内で販売していることが記されています。しかし、1998(平成10)年の生産は前年比マイナス8.6%、国内販売はマイナス13%という非常に厳しい状況です。国内シェアは約20%。かつてはトヨタと覇を争っていた日産ですが、90年代は日産にとって没落の時代となっていたのです。

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