新型「正統派セダン」2023年秋登場! トヨタ勢が注力する「ショーファーカー」ってナニ? 「後席快適性」は重要だけど… 現代に求められる要素とは
「セダン」や「大排気量エンジン」はショーファーカーの条件ではない
前述のように、ショーファーカーとはお抱え運転手によって運転されるクルマを指します。
とはいえ、ハッチバックやクーペをショーファーカーと呼ぶことは皆無であることを考えると、ショーファーカーと呼ばれるクルマには一定の条件があるようです。
実際、伝統的なショーファーカーの多くはセダンでした。そのことから、セダンであることがショーファーカーの必須条件のようにとらえられる場合があります。
ただ、これは論理関係が逆転してしまっているようです。
ショーファーカーは後部座席の快適性が最重要視されることから、ホイールベースを延長することで、より多くのレッグスペースを確保したり、路面からの突き上げを緩和したりしてきました。
ただ、ホイールベースが長くなればなるほど、走行安定性や衝突安全性を高めるためにできるだけ重心を低く保つ必要がありました。それらの条件を満たすボディタイプが、セダンであったというわけです。
一方、近年では技術の向上により、SUVやミニバンでも一定以上の走行安定性や衝突安全性を担保できるようになりました。
そうなると、セダンよりも居住性の高いSUVやミニバンは、ショーファーカーとしてより合理的であると言うこともできます。
また、多気筒の大排気量エンジンを搭載していることがショーファーカーの条件であると言われることもあります。ただ、これも論理関係が逆転してしまっている例のひとつです。
重量級のボディをなめらかに動かし、なおかつ静粛性の高さを求めるためには、これまでは多気筒の大排気量エンジンが適していました。
しかし、現在ではより小排気量のエンジンでもモーターによるアシストを加えることで、よりなめらかかつ静かに走行することができるようになっています。
つまり、これまでは技術上の課題などから、ショーファーカーに求められる要素を実現しようとすると、必然的に多気筒の大排気量エンジンを搭載したセダンとならざるをえませんでした。
ただ、現在では必ずしもそうする必要がなくなっています。
そうなると、ショーファーカーである条件は、その本来の意味に立ち返った「お抱え運転手が運転するクルマ」であれることだけが必要条件となります。
極端に言えば、どんなクルマであっても、ショーファーカーと呼ぶことができるというわけです。
こうした自由な発想でショーファーカーをとらえると、セダンはもちろん、SUVやミニバンのショーファーカーも成立します。
さらには、HVやBEV、FCEVなどのさまざまなパワートレインのものに加えて、高級なものから比較的安価なものまで、さまざまなショーファーカーも考えられます。
つまり、ボディタイプや機能装備といったハードウェアを見て、ショーファーカーであるかどうかを議論するのはナンセンスであると言えそうです。
セダンっていうよりほぼほぼハッチバックみたいですね。
これなら普通に大きくリアガラス部からがばっと大きく開いてくれた方がいいなぁ