あなたは「強引に右折してない?」 急ぐ行為、実は危険だった… 安全に曲がるための「注意ポイント」とは
対向車が左折する合間ぎりぎりで、まるでかぶせるように急な右折を試みる危険な行為を「かぶせ右折」と呼びます。かぶせ右折には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
直進車との重大事故を引き起こすリスクが高い危険な行為「かぶせ右折」
近年「かぶせ右折」という運転行為が問題になっています。これは、交差点で対向車が左折するタイミングにかぶせるように、すかさず右折していく危険な行為の呼び名です。
スムーズかつ安全な右折をするためには、どうしたら良いのでしょうか。
左折車よりも先に曲がろうとするかのようなギリギリのタイミング、あるいは左折車よりも先に右折して突っ込んでくる危険な“かぶせ右折”については、SNSなどでもたびたび問題になっています。
不意にそうした右折をすれば、対向車がパニックになるばかりか、曲がった先での安全確認も疎かになりかねず、非常に危険です。
まず、かぶせ右折にはどのような問題やリスクがあるのか、法的な面から検証してみましょう。
交差点で右折しようとするクルマは、直進車と左折車の進路を妨害してはなりません。これは、道路交通法37条において定められているものです。
違反すると「交差点優先車妨害違反」となり、違反点数は1点で、反則金6000円(普通車)が科されます。
もちろん状況にもよりますが、かぶせ右折で直進車もしくは左折車の進路を妨害するのは、マナー違反どころか重大なルール(法律)違反であり、やってはいけないことです。
一方、右折時に慎重になりすぎることで、周辺の交通に迷惑をかけてしまうこともあります。チャンスがあるのに右折しないのは、交通の流れを阻害するマナー違反となりかねません。
右折の先頭車両は渋滞を引き起こさないよう、可能な範囲で速やかに右折することも求められます。
ただし、優先される左折車や直進車の通行を妨害する可能性がある状況で、慌てて右折する必要はありません。
かぶせ右折は、対向車の陰から出てくるバイクや自転車などと衝突してしまう、いわゆる「右直事故」を引き起こすリスクも非常に高いです。
二輪車との衝突は重大な事故につながりやすく、また、優先されるのは直進している二輪車であるため、右折車の過失割合も大きくなります。
さらには、対向車に気を取られるあまり、横断歩道を(右折車から見て)右側から渡ってくる歩行者に気づかないリスクもあります。
このようにかぶせ右折は、百害あって一利なしというべき危険行為であることがわかります。
※ ※ ※
道路交通法では、左折する際は「道路の左側端に寄り、かつできる限り道路の左端に沿って徐行する」と定められています。
左折した先の道路が二車線ある場合においても、左折後は第一車線(左側の車線)に入る必要がありますが、だからといって、右折車が対向左折車の左折と同時に右折し、第二車線(右側の車線)に入って良いわけではありません。
もちろん慎重になりすぎるのは良くないですが、かぶせ右折はルール違反となる可能性が高く、かつ危険な行為です。
事故のリスクを減らすためにも、かぶせ右折は決して行わず、焦ることなくていねいな運転を心がけるようにしたいものです。
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