めちゃ狙われる! なぜクルマの「ナンバープレート」盗む!? 「“盗難”ナンバー」の意外な用途とは
全国各地で高級車が盗まれる被害が相次いで発生していますが、実はナンバープレート盗難の件数も多くなっています。では、盗まれたナンバープレートは一体どのような目的で使われているのでしょうか。
ナンバープレートなぜ盗む? その使用用途とは
近年ではトヨタ「ランドクルーザー」やレクサス車など高価な国産車が盗まれる被害が相次いで報道されており、クルマの盗難防止対策への関心も高まってきています。
しかし、意外と知られていないのはナンバープレート(以下ナンバー)自体も盗まれるケースがあるということです。
2023年2月に警察庁が公表した「自動車盗難等の発生状況等について」という資料では、2022年中、クルマの部品が盗難被害に遭う「部品ねらい」1万3301件のうち、ナンバーの盗難被害件数は6231件であり、46.8%を占めていることが明らかになっています。
1日あたりで考えると約17件もの被害が発生している計算となり、ナンバーの盗難にも注意する必要があるといえるでしょう。
では、一体何のためにナンバーを盗むのでしょうか。
その理由として、盗難したナンバーを使って別の犯罪をおこなうときに利用するということが挙げられます。
警察は殺人や強盗事件などが発生した場合、現場付近の防犯カメラや周辺住民への聞き込みなどから犯行に利用されたクルマを探します。
そして、疑いのあるクルマの情報が得られた場合は、装着されるナンバーを照会することで所有者の名前や住所などの情報が判明します。
しかし犯人は、本来装着されていない盗んだナンバーを付けておくことで身元の特定を防ぎ、警察の捜査から逃れようとする場合があるのです。
特に凶悪犯罪の場合には、犯罪に使用されたクルマが指名手配されますが、犯人が警察に捕まらないよう、逃走途中にナンバーを付け替えることもあります。
実際の悪用事例としては2023年2月に福島県の中古車販売店において、犯人がナンバーを外してあった展示車両に、別の車両のナンバーを取り付けてからクルマを盗むという事件が発生。盗難車だと発覚しないように付け替えたものとみられます。
また、犯人の中には盗んだナンバーをそのまま使用するだけではなく、プレートの数字を削って色を塗るなどして、別のナンバーへ偽造してから利用する者もいます。
そのほかには、盗まれたナンバーが海外のネットオークションで販売される場合もあります。
海外では、日本車の中古車が多く流通していますが、日本で使われていたままの状態を再現するカスタムが流行しており、本物の日本のナンバーが現地コレクターに人気を博しています。
実際にSNSなどでは部屋のインテリアとして飾ったり、クルマに取り付けるなどして楽しむ人が比較的多くいるようです。
1枚数千円程度で取引されることが多いものの、大量に販売していれば犯罪組織の資金源になる可能性も考えられるでしょう。
現在、クルマに装着されていたナンバーに穴を開け、記念に持ち帰ることが可能な「記念所蔵」というサービスを陸運局(自動車検査登録事務所)ではおこなっています。
しかしこのように正規の手続きで手に入る使用済みのナンバーとは異なり、盗まれたナンバーでは左上部分に直径4cm以上の穴がありません。
ときどき日本のフリーマーケットサイトやネットオークションサイトでも使用済みのナンバーが販売されていますが、その際には穴開けの痕跡があるかどうかを確認すると良いかもしれません。
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盗まれたナンバーは犯人が他の犯罪をおこなう際に、警察の追跡から逃れるために利用することが非常に多くなっています。
クルマ自体にイモビライザーの搭載やハンドルロックといった盗難防止措置を講じることはもちろんですが、自分のナンバーが悪用されないよう、盗難防止ネジを取り付けるなどの対策をとることも重要といえるでしょう。
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