ガチすぎないのがイイ!? スズキのオシャかわ「軽SUV」なぜ人気?「ハスラー」がウケる訳

ルックスに惹かれる人がほとんど!?

 スペックを見る限りでは、ほかのハイトワゴンとさほど違いがあるようには思えませんが、なぜハスラーは人気なのでしょうか。

 SNSに上がっているユーザーの投稿を見ると、ハスラーの魅力はデザインにあるようです。というより、このルックスに惹かれて購入する人がほとんどといっても良いほど、高評価な意見が多数見受けられました。

ボディカラー豊富な「ハスラー」
ボディカラー豊富な「ハスラー」

「見ていて出かけたくなる、笑顔になるデザイン」(20代・男性)や「生活臭があまりしないポップさがいい」(30代・男性)といったものから、「周囲に威圧感を与えない」「軽自動車なのにしっかりしていそう」(30代・女性)、「初心者でも高齢者でも似合いそうなデザインが素敵」(40代・女性)といった女性からの支持が高いのも特徴です。

 一方で、ユーザーならではの視点でデメリットも散見されます。意外に多かったのが「乗り心地が硬い」(30代・男性)というもの。

 これは見た目以上に軽量なボディ(820kgから870kg)と15インチタイヤのマッチングが良くないのかもしれません。さらにフロントウインドウとAピラーが「ワゴンR」より立ち気味なため、空気抵抗もあるのでしょう。

 複合的な要因により、軽量なのに足元が重めで、走行中のゴツゴツ感につながっている可能性がありそうです。

 また、昨今のアウトドアやキャンプブームなどの影響もあり、「SUVテイストを盛り込んだ軽自動車」というのも評価が高いポイント。

 本格的なオフロード走行を楽しむのであればスズキには「ジムニー」がありますし、かといってオートキャンプ場などでは未舗装路な道も多くあります。

 その点、175-180mmの最低地上高を確保したハスラーなら、多少荒れた道でも気兼ねなく走行でき、使い勝手は通常のトールワゴンと同じという、「ガチすぎない」クロスオーバー的なポジションというのが今の時流に合っているのでしょう。

 また、ハスラーの後部座席にはスライド機構が装備されており、「後部座席を広々使ってしまうと荷室が狭くなる」(40代・男性)という意見もありますが、これはトールワゴンというよりサイズに制約がある軽自動車ならではの弱点かもしれません。

 軽自動車を語るうえで外せないのが経済性です。「いかにお金をかけずに所有・維持できるか」ということですが、この点でもハスラーは非常に優秀。

 ハスラーの価格は136万5100円から177万3100円となっています(特別仕様車Jスタイルは除く)。この価格帯でありながら「全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)」や「車線逸脱抑制機能」なども標準装備。あの個性的なデザインで安全装備も充実していると考えると、かなり抑えた価格設定になっているといえるでしょう。

 また、全車マイルドハイブリッドを搭載し、燃費(WLTCモード)はNAが25km/L、ターボが20.8km/Lから22.6km/Lを達成。

 SNSでは一部のファンから「ワゴンRより劣る」といわれていますが、車重が約100kg違うことや空気抵抗の大きいボディデザインを考慮すると、十分すぎる低燃費といえます。

 これ以上の燃費を望むなら、ハスラーやハイトワゴン以外の車種にすべきでしょう。

※ ※ ※

 装備が充実して燃費も秀逸、価格もお手頃で、アウトドアに映える個性的なルックスのハスラーが支持されるのも当然でしょう。

 スライドドアを備えたスーパーハイトワゴンでなければいけない事情がある人はともかく、全軽自動車のなかでもハスラーは1、2を争うオススメ車種といえそうです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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