「モジュール化」遅れのトヨタ、逆襲なるか 新パワートレイン発表から見えたそのシナリオ

トヨタがエンジンまわりのパワートレインについて「モジュール化」に踏み切りました。昨今、自動車業界でよく聞くこの「モジュール化」、実際にはどのようなものなのでしょう。また、トヨタがこれに立ち遅れた理由はなんだったのでしょうか。

業界の世界的潮流「モジュール化」、そのメリットは?

 モジュール化の手法を使ってクルマを開発すると、低コストでよいものを作ることが可能になります。

 たとえば、クルマの走る/曲がる/止まるという基本になる部分を通常の2倍の予算をかけて作っても、それを10車種に流用すれば、トータルでは大幅なコストダウンになります。それでいて、基本性能は予算をかけただけよいものになります。そのためフォルクスワーゲンや日産、マツダ、スバルはモジュール化を採用。メルセデスベンツやBMWも積極的に同じ車両の基本構造(プラットフォーム)を複数の車種に採用しており、これも実質的なモジュール化のひとつと呼んでいいでしょう。また、モジュール化したエンジンといえばマツダの「スカイアクティブ」も有名です。今回のトヨタの発表で、エンジニアから「マツダを参考にした」という話を聞くこともできました。よいところは、どんどん学んでいこうという姿勢ですね。

 加えて、トヨタの次世代パワートレインは、生産設備の刷新とセットになっているという説明もありました。生産設備を新しくすることで、より安く、より早く生産も可能になるそうです。つまり、新しいパワートレインは性能がよいだけでなく、安いというのも特徴です。

 もちろん生産設備への投資は莫大なものになりますが、そこは年間1000万台のクルマを売って、1兆円以上の黒字を稼ぎ出してきたトヨタだからこそできる大技でしょう。一方でその大きすぎる規模にも問題があります。一気にすべてを新しくすることはできず、年間100万台ずつの規模になるとか。つまり10年もの時間が必要なのです。大メーカーならではの弱みでしょうか。

 とはいえ、今回の発表は基本的に「新パワートレインを2017年以降に投入するので、さらにトヨタの業績はよくなることでしょう」という発表です。それに対する期待のせいか12月6日の発表以降、トヨタの株価はぐっと上昇しています。

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