なぜETC利用しない? 一定数存在する「一般レーン利用」のワケとは 一方で「ETC専用化」拡大の動きも

高速道路のレーンには「一般レーン」が存在しますが、どういったユーザーが利用していると考えられるのでしょうか。

なぜ「一般レーン」は存在する?

 高速道路の料金所には、ETC搭載車専用の「ETCレーン」と、ETCを利用しない車用の「一般レーン」が設けられています。

 ETCの利用率は年々上昇してきていますが、一般レーンを利用するユーザーにはどういった理由が考えられるのでしょうか。

なぜ「一般レーン」は存在する?
なぜ「一般レーン」は存在する?

 ETCは有料道路における自動料金支払いシステムで、料金所ゲートに設置されたアンテナとクルマに搭載したETC車載器の間で無線情報を交信し料金を決済する仕組みです。

 ETCは高速道路などの有料道路を走行する際に、ETC車載器を設置している車であれば、ETCレーンを通行することで現金のやりとりなく通行料金の支払いが完了します。

 国土交通省のデータによると、2022年10月時点のETC利用台数は1日あたり819万台、ETC利用率は94%と右肩上がりに増加しており、首都高速に限ってみればETC利用率は97.9%となっています。

 一方で高速道路の料金所には必ずと言っていいほど「一般レーン」が設けられています。

 これは、全体のうち5%あまりのクルマはETCを利用していないためです。ではなぜ一般レーンを利用するのでしょうか。

 理由のひとつに、ETC車載器を設置していないことが挙げられます。

 ETC車載器の設置は義務ではないため、ETC車載器を設置していないクルマも多数存在します。

 クルマを持っている人のなかでも、高速道路をほとんど利用しないという場合はETC車載器の必要性が低く、わざわざ車載器を設置していない人も少なくありません。

 ユーザーからは「定期的に高速を使うならETC使うけど年に1回くらいならわざわざつけないよね」「高速を使う機会がほぼない」との意見が見られます。

 近所の買い物など自宅周辺でのクルマの利用では、人によっては高速道路に乗る機会は多くないといえるでしょう。

 そもそもETCを使うためには、ETC車載器の購入、さらに「セットアップ」という工程が必要となります。これは不正利用の防止やETCの安全な利用を守るため、限られた登録店でしかセットアップができません。

 セットアップされた車載器を車両に取り付ける工程もあるなど、費用がかかります。

 また、クルマを買い替えた場合や車載器を譲渡した際は、車載器に登録されている車両番号を変える必要があるため、有料の再セットアップが必要です。

 これは、車両とETC車載器の情報は一致しなければならず、異なった場合にはETCシステム利用規程違反に該当するといいます。

 こうした手間からも、一定のユーザーは車載器を設置しない人もいると考えられます。

 仮にクルマにETC車載器が設置されていたとしても、ETCカードを持っていなければETCレーンを通行できません。

 普段クルマを持っていない人がレンタカーなどで高速道路を利用する場合などは、ETCカードを保有していないために一般レーンを通行することもめずらしくないと考えられます。

 そもそもETCカードは有料道路を通行した際に通行料金を決済するためのものですが、このカードはクレジットカード会社が発行するのが一般的で、クレジットカード同様会社独自の審査があります。

 一方でなかにはクレジットカードを持っていない人や、さまざまな理由からクレジットカードを作れない人もいます。

 ちなみに、クレジットカードなしでETCを利用したい人のために「ETCパーソナルカード」というカードも発行されていますが、年会費がかかることやデポジット(保証金)が必要となります。

 このほかETCの大きなメリットには料金割引が挙げられ、深夜割引や休日割引、平日朝夕割引など各種あるものの、利用できる時間が限られています。

 ユーザーからも、「定期的に高速を使うならETC使うけど年に1回くらいならわざわざつけないよね」「平日利用あまりメリットない」との声もあり、利用頻度によっても用いていないという人もいると考えられます。

 このように、ETC車載器の購入、セットアップなどの費用や手間、ETCカードの申込みやクレジットカードをそもそも利用していない、高速道路を利用するメリットが少ないというユーザーは一般レーンを利用していると考えられます。

※ ※ ※

 一方で、最近ではETCを利用するクルマ専用の出入口や料金所は徐々に増えてきています。

 たとえばサービスエリアやパーキングエリアなどに設置された「スマートIC」では、ETC車専用の出入口となっていて、ETC車載器を設置していないクルマやETCカードを挿入していないクルマは利用できません。

 また、首都高ではETC専用入口を設けており、首都高のETC専用に向けた流れでは2025年度までに約160か所の約9割、2030年度頃にはすべての料金所をETC専用にする動きとなっています。

 このほか各高速道路でもいくつかの料金所がETC専用に切り替わっているなど、今後も順次切り替えが進められています。

 ETC専用料金所に切り替わると一般レーンはなくなりますが、誤ってETC車載器を設置していないクルマなどが進入してきた場合に対応するため、一般レーンに代わって「サポートレーン」が設けられています。

 このように、一定数の一般レーン利用者が存在する一方で、徐々にETC車専用入口の普及も加速しつつあります。

 今後高速道路の利用方法はどのように変化していくのでしょうか。

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8件のコメント

  1. ココで終わりなの?
    答えも意見もない
    私は一般しか使わない 理由があるから
    なぜそう言う掘り下げは無いのかな?

    • カード作れないから!
      俺はチャージ方のカードを作りました
      なかったら今も一般

  2. 一般レーン利用するのは、「ETC利用時、領収書」が出ない為、経費上、会社の経費として認められない為、やむを得ず利用される方々が圧倒的に多い。特に個人事業主。

    • 後は高速の利用履歴を残したくない場合ね。
      やましい事に使ってるような場合はそうなるよね。

  3. 全部の有料道路で使えれば良いけど、高速道路専用の機械っていうのが天下り機関を食わす目的の国策って感じで好きじゃないですね。そもそも何時になったら無料化するの?。交通の流れをスムーズにすることでCO2削減しますってことにすれば、海外に対しても「やってます感」を出せるでしょ。
    クレカは大嫌いというか、銀行が信用できないし不正利用多すぎなので二度と作りません。
    普段使ってる電子マネーでも使えれば考えても良いです。それが使用できない理由もまた利用者の選択の自由や利便性を奪ってると思いますよ。

  4. 強制にして、メーカー販売時には標準にすれば良い
    出来ない言い訳にいつまでも付き合う必要無い
    海外ではできてる

    • 出た海外は~っていうやつwww
      海外は無料か安い料金で利用できるのを知らないんですねw

  5. 家族等、同乗者に障害者がいる場合、高速に障害者割引が適用されるのですが
    これ、ETCとして一度設定すると、その障害者が同乗してないときは別のETCカードを使わないといけないんですよ。

    通常ETCカードは発行や維持に費用がかかるのと、1枚のクレカに1枚の制限がかかってることがほとんどなので、2枚以上持つデメリットが大きいんです。

    なので、うちは障害者利用をする際にETCを抜いて一般レーンを利用させていただいております。

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