これはある意味「最強」の新型「セレナ」!?

　2022年11月28日、日産は人気3列シートミニバン「セレナ」を約6年ぶりにフルモデルチェンジし、ガソリン車（2WD）は12月22日より、e-POWER（ハイブリッド）とガソリン車の4WDモデルは2023年春より発売します。
　
　今回で6代目となる新型には、先代同様に複数のカスタム仕様が設定されていますが、新たに「ドレスアップ」と「車中泊」を同時に実現するモデルが誕生したことが注目されます。

　新型セレナは、これまで歴代モデルで培ってきた「広く使い勝手のよい室内空間」という美点はそのままに、最新のパワートレインや最新の先進運転支援機能、スマートな内外装デザインといった新たな魅力を加え、誕生しました。

　グレードでは、標準タイプ「X」「XV」に加え、エアロパーツや大型グリルなどでカスタマイズした「ハイウェイスターV」がラインナップされていますが、それ以外にもカスタム仕様が設定されています。

　手がけたのは、日産モータースポーツ＆カスタマイズ（旧：オーテックジャパン）。同社ではこれまでも数多くのドレスアップカーや福祉車両などをリリースし、豊富なノウハウを有しています。

　新型セレナでも複数の福祉車両のほか、先代セレナにもあったカスタムカー「セレナ AUTECH（オーテック）」や、車中泊仕様「セレナ マルチベッド」を設定しています。

　新型セレナ AUTECHの開発テーマは「プレミアムスポーティ」。ベース車に対し、さらなる高級感や特別感を高めたドレスアップが施されています。

　外装は、ドットパターンの専用フロントグリルに加え、低重心感を高める車体下部のメタル調フィニッシャー、凝った形状とダーク金属調シルバー仕上げとした専用アルミホイールなど、全体にきらびやかな印象を強めています。

　ブラックにコーディネイトされた内装では、柔らかな手触りで身体に馴染むレザレット（合成皮革）素材や、光の加減で青く光るダークグレーの紫檀（シタン）木目調パネル、ステアリングやドアトリム、シートなど随所に施されたブルーのステッチなど、外装同様に細部まで手が込んでいます。

　さらに新型セレナ AUTECHは2列目席（セカンドシート）が2人掛けとなり、左右独立のキャプテン式となっているのも特徴です。

　新型セレナ AUTECHの価格は、373万3400円から415万300円までです（価格は消費税込み、以下同）。

※　※　※

　いっぽう新型セレナ マルチベッドは、2020年2月に先代セレナに新設定されて好評を得たモデルの新型版です。

　3列シートレイアウトのうち3列目席（サードシート）を取り去り2列仕様とし、サードシート部分に収納式のベッドシステムを搭載しました。

　停車時にセカンドシートを倒し展開できるベッドマットのサイズは、縦（長さ）2120mm、横1320mmと大きく、大人2名がゆったり横になれる車中泊スペースが出現します。

　またシートやベッド素材は防水性に優れ水や汚れがふき取りやすい生地を採用し、荷室側の床面も同様にタフな硬質塩ビマット張りとするなど、アウトドアユーザーの用途にあわせた仕様となっています。

　そのほか基本的な仕様は通常の新型セレナと変わらず、日常的に利用できることもポイントといえます。

　新型セレナ マルチベッドは、ガソリン車（2WD／4WD）とe-POWER車の各XVグレードとハイウェイスターVグレードに設定されるほか、新型ではカスタムカーのAUTECHにも設定されている点が新しいところです。

　つまり新型セレナ AUTECH マルチベッドは、1台でカスタムカーと車中泊仕様を兼ね備える、非常に欲張りかつ最強な仕様ということになります。

　なお新型セレナ マルチベッドは、前述の通りサードシートがなく5人乗り仕様ですが、新型セレナ AUTECH マルチベッドはセカンドシートがキャプテンタイプとなる関係で、乗車定員は4人乗り仕様となります。

　新型セレナ マルチベッドの価格は、XVベースのモデルが365万9700円から407万円まで。ハイウェイスターVベースのモデルが、384万100円から425万7000円。

　そして新型セレナ AUTECH マルチベッドの価格は、428万2300円から469万9200円となります。