高級ミニバン「アルファード」がライバル!? マツダの3列SUV「CX-8」がファミリーに支持される訳
マツダの3列SUV「CX-8」はミニバンと比較検討されることもあるようです。SUVとミニバンは別のカテゴリですが、ライバル同士になるのはなぜなのでしょうか。
ミニバン撤退のマツダが多人数乗車へのニーズに応えた
日本のファミリーカーといえばミニバンが人気で、トヨタは「アルファード」「ノア/ヴォクシー」「シエンタ」、ホンダは「ステップワゴン」「フリード」、日産は「セレナ」といったように、各メーカーからさまざまなモデルがラインナップされています。
多人数乗車ができ、スライドドアの利便性もあり、子育て世帯を中心に支持されているミニバンですが、かつてマツダには「MPV」や「プレマシー」、「ビアンテ」などのミニバンが存在していたものの、現在はすべて撤退しています。
その一方、ミニバンに代わる多人数乗可能なモデルへのニーズや、既存ユーザーにマツダ車を選び続けてほしいということもあり、2017年にデビューしたのが3列シートクロスオーバーSUVの「CX-8」です。
CX-8は比較的若いユーザーに選ばれる傾向があり、なかでも30代、40代の購入者が多いといいます。
また、CX-8と比較検討されるモデルでもっとも多いのはトヨタ「ハリアー」ですが、トヨタ「アルファード」と競合になることもあるようです。
ハリアーのような高級SUVはわかりますが、高級ミニバンのアルファードとCX-8がライバルになるのは意外にも思えます。しかしそれには理由があるようです。
マツダは事故での死亡重傷者をゼロにすることを目指しており、後席の衝突安全では、日本国内の法規よりもさらに高い水準での安全性を確保するべく車両開発をおこなっています。
具体的には、日本国内の法規である「50km/hでフルラップ追突されたときに燃料が漏れない」という基準を上回る、「80km/hで70%のオフセットを追突されたときに燃料が漏れない」だけでなく、「最後席の生存空間を確保する」「非衝突側の後席ドアが人力で開く」という独自の基準を追加。
ボディ構造にリアフレームをまっすぐに配置した「ストレートフレーム構造」などを採用することにより、衝突時に「クラッシャブルソーン」をつぶしてエネルギーを吸収してキャビンを守ることが可能になりました。
追突事故の99%は70km/h以下で発生しており、80km/hという基準であればほぼすべての事故をカバーすることができます。
そのため、高速道路の渋滞で停車中に後ろから追突されても、高い安全基準で設計したCX-8は3列目シートの乗員の生存を確保できるのです。
CX-8の購入者の70%以上を占める30代、40代は子育て世代にあたり、クルマ選びで安全性を重視する人が多いといいます。
3列目シートに子供や両親、友人など大切な人を乗せることがあり、十分な安全性が確保されたCX-8がファミリーカーとして選ばれており、CX-8導入時のコンセプトであった「多人数乗用車の新しい価値創造を目指す3列SUV」という狙い通りになっているといえます。
もちろんリアだけでなく、フロント、サイドも同じ考え方で設計されているほか、CX-8に限らず、どのマツダ車でも同じ安全性が確保されているといいます。
CX-8ユーザーの意見として「かっこよくて、人気のSUVで荷物が積めて、3列で安全装備も充実して走りが良い」「このサイズの3列SUVがなく、乗りたければ外車になって困り果てていたが、ついに国産メーカーから出たか」「普段使いで、高級感もあり、さらに快適な動力性能を求めるお父さんの夢のクルマ」といった声がマツダに寄せられるなど、ミニバンの代わりとなる3列SUVを求める人が多いことがわかります。
国内3列シートSUV市場において、CX-8は2018年と2019年に同カテゴリで販売台数1位を獲得。多人数乗用車でありながら走りとデザインを両立し、安全性もしっかり確保されているところがCX-8の魅力といえそうです。
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2022年12月の商品改良で、CX-8は最新の魂動デザインを取り入れたスタイリングに大幅変更されます。
さらに、ユーザーの選択肢を広げるためグレード体系を変更し、アクティブで悪路走破性を高めた「グランドジャーニー」(特別仕様車)やスポーティで上質な「スポーツアピアランス」を新設定したほか、最上級グレードの「エクスクルーシブモード」も内外装が進化しました。
ほかにも3列目シート乗車時に後方からの追突に対する衝突安全性能の確保に加え、「アダプティブ LEDヘッドライト」の進化や、クルージング&トラフィックサポート(CTS)を採用し、すべての乗員が安心・安全で快適に移動できるクルマを目指しています。
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