街中で「レクサス版ハイエース」発見!? 異様な存在に驚愕もただの「エンブレム」交換? なぜあえて「別ブランド化」するのか
エンブレムチューンが生まれたのは「同じクルマ」が増えたから?
エンブレムの基本的な機能は、クルマがほかのクルマを区別することにあります。
一方、エンブレムが異なっていても、クルマそのものは同じものであるというケースも存在します。
例えば、かつて販売されていたトヨタ「セルシオ」は、北米で販売されていたレクサス「LS400」と機構上はほぼ同じです。
また、いわゆるOEM車も機構上はほぼ同じでありながらエンブレムが異なるという例のひとつです。
これらのケースでは、細かな仕様の違いに注目すれば見分けることも可能ですが、街で見かけた程度では、一見して両者を区別することは容易ではありません。
つまり、エンブレムがなければ、それらのクルマを区別することが非常に困難であることがわかります。
より大きな視点で見れば、ほとんどのクルマでこうした傾向が見られます。
現在の自動車産業では、メーカー内、あるいはメーカーを超えてプラットフォームの共有化が進められており、それにともなってパワートレインをはじめとするあらゆる部品の共通化が図られています。
また、各種法規制や技術の成熟化影響もあり、個性あるクルマづくりが難しくなっているのが実情です。
それはつまり、ユーザーがそれぞれのモデルの違いを実感しにくくなっているということでもあります。
少なくとも、「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマの基本的機能については、新車で販売されているどのモデルを選んでも一定以上のクオリティにあり、一般的なユーザーがその違いを判断し、購入の決め手とするのは容易ではありません。
そのなかで、そのモデルとほかのモデルを区別するのに、エンブレムは非常に重要な役割を果たします。
エンブレムが重要になればなるほど、そこにエンブレムチューンのニーズも生まれてくるといえます。
もし、スカイラインとスカイラインGT-Rが、誰がどう見ても同じモデルに見えないほど姿かたちが異なっていれば、そもそもそこにエンブレムチューンをおこなう余地が生まれることはないでしょう。
もちろん、愛好家的な視点でいえば、スカイラインとスカイラインGT-Rは天と地ほど異なります。セルシオとLS400、SクラスとSクラスのAMGモデルも同様です。
しかし、それぞれの違いがわかることこそ、愛好家が愛好家たるゆえんであり、多くの人には「同じクルマ」に見えてしまうものです。
そして、昨今の自動車業界を見ると、広い意味での「同じクルマ」が増えています。
そうした背景から考えると、エンブレムチューンは、今後のカスタムにおいてひとつのトレンドになるかもしれません。
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