伊豆の「ぐるぐる道」なぜできた? 高低差45mを一気に克服する「河津七滝ループ橋」の誕生経緯
静岡県の伊豆を南北に走る国道414号に「河津七滝ループ橋」というループがあります。全国的にも珍しい同じ所を2周するループですが、どのような経緯で造られたのでしょうか。
元はつづら折りの道だった
全国には道路のループ橋が複数ありますが、その中でも特に有名なのが、静岡県の伊豆にある「河津七滝ループ橋」でしょう。
その特徴的な見た目から、観光名所としても知られています。なぜ、このようなループ橋が建設されたのでしょうか。
河津七滝ループ橋は、静岡県河津町にある全長1064m、高低差45m、直径80mの巨大な2層ループ橋で、正式には「七滝高架橋」といいます。
「天城越え」で有名な国道414号が通る河津七滝ループ橋は、雄大な自然の中でもひと際目立つ道路構造物です。
この河津七滝ループ橋は、1981年に建設されました。その目的は、道路の高低差を克服するためです。
もともと、国道414号は静岡県道13号修善寺下田線として、東側をつづら折りの山道として通っていました。しかし、1978年に発生した伊豆大島近海地震によって土砂崩れが発生し、道が寸断されてしまったのです。
被災前のように道を復旧しても、今度また土砂崩れが起きたら同じように道が寸断される恐れがあります。そこで、安全かつ限られたスペースで高低差45mを解消するため、新たにループ橋が採用されることになりました。
河津七滝ループ橋が建設されたことで幹線道路として問題となっていた通行障害が解消され、1982年には県道から国道へと格上げされました。
河津七滝ループ橋の特徴は、なんといってもそのきれいな2層ループです。
ループ橋自体は、高速道路のJCTやICなどでもよく見られますが、河津七滝ループ橋のように同じ場所を2周するループは、全国でも比較的珍しい構造です。
人によっては通行するととても強い恐怖を感じる、心理的外傷を与え得る建築物だ。有害とすら言える。ここを走ったせいでトラウマを受けてその他の橋や高架道も走れなくなるようでは、優れた建築物とは言えまい。