意外と知らない? 信号機の「手動操作」のヒミツ 「四角いボックス」の中はどうなってる?信号機の謎にせまる
街中の各所に設置されている信号機は、普段自動で制御されていますが、なかには手動で操作されるケースがあるといいます。どういった場面でおこなわれるのでしょうか。
信号は「手動で操作できる!」 どういった時におこなわれる?
道路の各所に設置されている信号機は交通安全の確保のほか、交通の流れを円滑にするために設置されています。
実は信号機は手動操作が可能となっているといいますが、どういった場面でおこなわれるのでしょうか。
今回は交番勤務6年、生活安全部門で2年携わってきた経験を持つ元警察官のBさんが以下のように教えてくれました。
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そもそも信号は、基本的に各都道府県警察の交通管制センターで制御されており、コンピューターで道路上のクルマの混雑具合、交通情報を分析するなどして、信号を点灯させる秒数をコントロールしています。
普段はこのように自動制御されていますが、信号機の付近に設置されている「交通信号制御機」と呼ばれる機械を使うことで、手動操作が可能となっています。
交通信号制御機は警察のマークが付いた四角いボックスで、色は灰色、茶色など各地域によって異なります。
交通信号制御機には、内部に信号機を自動から手動に切り替えるための切り替えスイッチと、手動に切り替えた後に信号を操作するためのボタンスイッチが備え付けられています。
ボタンスイッチは制御機とケーブルで繋がっており、信号機を自動から手動に切り替えた後、ボタンスイッチを押しながら信号の色を青、黄、赤のように変えることができます。
信号機の管理は基本的に各都道府県警察がおこなっており、信号操作は警察官と交通巡視員(警察職員)しかできません。
ちなみにこの制御機では、クルマの信号だけでなく、歩行者用信号も切り替えることが可能です。
信号機を手動で操作するのは、身近なケースだと大規模なパレード、お祭りやマラソンなどのイベントに際して道路の交通規制が挙げられます。
このほか天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻のご移動や日本で主要国首脳会議が開催される場合などに道路の交通規制をおこなうことがあります。
お祭りやマラソンなどで道路を使用するときは、イベントの主催者が道路交通法第77条第1項第4号「道路の使用の許可」に基づいて、その道路を管轄する警察署長に道路使用許可申請をおこなう必要があります。
警察署長が道路使用を許可した場合には、イベントの安全性を確保しつつ、同時に周辺地域の交通の安全や円滑な通行を保つために交通規制をおこなったり、事前に地域住民や道路利用者に対して交通情報を提供したりします。
警察官が信号機を自動から手動に切り替える際は、信号の秒数を数えながら、ドライバーから見て急な切り替えにならないように注意しています。
例えばマラソンでの交通規制では、クルマとランナーの接触事故を防止するため、ランナーの進行方向と垂直方向に向かうクルマの信号を赤色にして停止させたり、クルマを迂回路に誘導させたりするなどの措置をとることもあります。
またずっと交通の流れを止めるわけではなく、ランナーが通らないタイミングで必要に応じてクルマを通行させるなどの対応をとる場合もあります。
いずれの場合においても、「道路における危険を防止する」「交通の安全と円滑を図る」という目的のために交通規制をおこなっています。
私(元警察官Bさん)が警察官として勤務していた頃は、お祭りやマラソンなどで交通規制をおこなうことが度々ありましたが、車両の通行止めによってクルマが通れなくなり、近くの自宅に帰れないといった相談もありました。
大きなイベントなどで交通規制が実施される場合はチラシやテレビ、看板などさまざまな媒体で広報をおこなうので、事前に確認しておくのが良いでしょう。
また主催者側が付近住民用の駐車場を用意したり、地域住民用の通行許可証を発行する場合もあるため、自分の住んでいる地域が交通規制にかかる可能性があるときは、主催者や警察署へ問い合わせてみるのも良いでしょう。
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普段は自動制御で機能する信号機ですが、警察官によって手動で操作されるケースがあります。
お祭りやマラソンなどイベントなどで交通規制がおこなわれる時は、手動で信号機を変える姿を見ることができるかもしれません。
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