なぜ各地で「鎌倉街道」が存在する? 鎌倉市通らずも名称付けられる謎 1000年前の歴史的背景が理由か
幹線道路のほとんどには「国道◯号線」や「県道◯号線」といった正式名称以外にも通称名で呼ばれることがありますが、なかでも関東圏のあちらこちらに「鎌倉街道」が存在します。なぜ鎌倉市を通っていないにも関わらず、その名が用いられるのでしょうか。
なぜ「鎌倉街道」は鎌倉を目指していないのか
道路の通称名は、その道路が通る地域やその道路の目的地、そしてそれに関連する名称が与えられることが一般的です。
しかし、なかには「鎌倉街道」のように、鎌倉を目指していないにもかかわらず、その名が与えられている道路もあります。そこにはどんな背景があるのでしょうか。
街を走る幹線道路のほとんどには「国道◯号線」や「県道◯号線」といった正式名称以外にも、通称名で呼ばれることがあります。
幹線道路の周辺に住む人々にとっては、むしろ通称名のほうが親しみやすいということもめずらしくありません。
これらの通称名は、その道路が通る地域やその道路の目的地、そしてそれに関連する名称が与えられることが多くあります。
例えば、東京を通る国道を見ると、国道4号線は「日光街道」、国道14号線は「千葉街道」、国道20号線は「甲州街道」というように、目的地もしくはその旧称を表す名称が冠されています。
また、国道246号線のように「青山通り」から「玉川通り」、そして「厚木街道」と地域によって名称が変わる場合も見られますが、基本的にはその道路が通る地域や目的地を表しています。
こうした例に該当しない通称名を持つ道路もありますが、基本的にはその地域にゆかりのある名称であることがほとんどです。
一方、全国にはその由来の不明確な通称名を持つ道路も少なくありません。
その最たる例が、関東地方を中心に全国に見られる「鎌倉街道」もしくはそれに近い名称を持った道路です。
「鎌倉街道」の名称を持つ道路のなかで、もっとも有名なのは東京都府中市と町田市を結ぶ都道18号線です。
また、杉並区を走る約3.4kmの道路や茨城県の牛久市道路にも「鎌倉街道」の通称名が与えられているほか、埼玉県日高市の交差点名にも「鎌倉街道」の名称を見ることができます。
そのほか千葉県や群馬県、愛知県や岐阜県にも「鎌倉街道」の名称を持つ旧跡や史跡が見られるなど、その名称はかなり広範囲にわたっていることがわかります。
これらの「鎌倉」は神奈川県鎌倉市を指しています。しかし、前述で挙げた「鎌倉街道」はいずれも鎌倉市を通っておらず、その点でいえば道路の通称名のルールからは外れています。
ちなみに、鎌倉市を走る県道21号線と県道402号線には、それぞれ「鎌倉街道」と「かまくらみち」の通称名が与えられており、こちらはルールに合致しているといえます。
国道246号の通称は大山街道では?
1000年という数字はアバウトすぎる。1000年前なら平安中期、鎌倉という町(少なくとも中心地として)は存在しないのになぜ?と思ってしまう。せいぜい800年前と書くべきでしょう。