なぜ「女性ありき」の新型車減った? 昔はアルトに「麻美スペシャル」存在も! 時代の変化で何が変わったのか
ムーヴキャンバスが女性に支持されるのは、ジェンダーレスだから?
現代では、自動車メーカーの開発担当や商品企画担当にも女性が多く見られるようになった結果、「女性視点で考えた、女性がほしいクルマ」が登場するようになりました。
スズキでは、2013年に若年女性の好みを意識した専用デザインを採用した軽乗用車の2代目「アルト」に「アルトラパン ショコラ」を設定しています。
2015年に登場した3代目「アルトラパン」では、女性がクルマに求めるものの調査・分析をおこなうほか、女性社員も企画から開発、デザイン、機能・装備、アクセサリーの設定にいたるまで携わってました。
またダイハツでも2018年に登場した「ミラ トコット」では、企画・開発に際しては、近年の若年女性の感性の変化に着目。ターゲットに近い女性社員で構
成されたプロジェクトチームが企画に参画しています。
最近でも2022年7月にフルモデルチェンジを果たしたダイハツ「ムーヴキャンバス」はそんなモデルのひとつです。
愛らしいルックスと使い勝手の良さを武器に、先代から女性人気の高かったムーヴキャンバスですが、新型では個性的な2トーンカラーの「ストライプス」と、上質で落ち着いた印象の「セオリー」というふたつの仕様が用意されています。
ムーヴキャンバスは若い女性をメインターゲットに企画開発されており、実際に先代では女性のユーザーが大部分を占めていたといいます。
しかし、先代も新型もかつての「女性向け」のモデルのようなステレオタイプな女性のイメージを強調しているわけではありません。
たしかに、ピンク系のボディカラーを選ぶことはできますが、あくまで選択肢のひとつでありメインカラーではありません。
それどころか、「セオリー」に関しては、彩度を落とした「くすみ系」のボディカラーが中心となっており、「女性=ピンク」のような世界観とは掛け離れています。
ダイハツによれば、実際のクルマの使用状況を見ると、当初のターゲットであった若い女性に加え、父や兄弟などともクルマを共有するケースが少なくなかったことから、男女問わず使用できるようなモデルとしての性格を強める必要があったと説明。
その結果、新型ムーヴキャンバスは性別の違いを感じさせない、ジェンダーレスな印象の強いモデルとなりました。
それは単に男女のどちらもが使用しやすい最大公約数的なモデルとなったことを意味しているわけではありません。
現代では、好みの違いは性別の違いから生じるものではなく、あくまで個々人の価値観の違いによって生じるものであるという考え方が主流となりつつあります。
つまり、クルマのような多くの人を対象とした製品については「女性向け」や「男性向け」という考え方自体が過去のものとなっています。
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そんな新型ムーヴキャンバスは、発売から1か月で月販目標台数の4倍となる約2万6000台の受注を得るなど、上々の滑り出しを見せています。
クルマ自体の出来がすばらしいことはもちろんですが、男女の違いにとらわれないクルマづくりの姿勢が、結果的として現代の女性の感覚にマッチしたといえるでしょう。
輸入車という選択肢が出てきた、というのも多分あるだろ。
ミニとかポロとかみたいな。