なぜ昔の内装は「豪華」だった? ソファ並の後席備えた「ハイソカー」多数登場も! 現代の高級車トレンドはなんなのか?
かつてのクルマは「走る応接間」といわれるほどラグジュアリーな内装のモデルがありました。しかし最近ではかつてほどの高級&豪華な内装は珍しくなっています。どのような移り変わりがあったのでしょうか。
「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」はなぜなくなった?
1980年代に一世を風靡したいわゆる「ハイソカー」では、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」に代表される豪華な内装が大きな特徴でした。
しかし、そうした内装が近年のクルマに採用されることはまずありません。そこにはどんな理由があるのでしょうか。
クルマは移動のためのツールであるだけでなく、家族や友人たちと過ごす空間、あるいはひとりで落ち着くことのできるプライベートな空間という側面も持っています。
そのため、程度の違いこそあれ、どんなクルマでも乗員が心地よい空間を過ごせるようにさまざまな工夫がなされています。
ただ、どちらかというと近年のクルマは、シンプルでスッキリとしたデザインの内装が多く、かつてのように見るからにゴージャスな内装を持つクルマは少なくなりました。
例えば、1980年代に一世を風靡したいわゆる「ハイソカー」と呼ばれるモデルは、いずれも「走る応接間」と呼べるような内装を持っていました。
「ハイソカー」の代表であるトヨタ「ソアラ」や「マークII」そして「クレスタ」などのモデルは、いずれもフカフカのソファのようなモケットのシートを持ち、毛の長いカーペットが一面に敷き詰められていました。
さらに、往々にして「赤(ワインレッド)」のインテリアカラーが好まれていました。
一方、現代の日本を代表する高級サルーンであるレクサス「LS」や、16代目へと進化したトヨタ「クラウン」などでは、かつての「ハイソカー」のようなゴージャスさはあまり感じません。
もちろん、LSやクラウンの内装自体は優れた素材が用いられた非常に上質なものであることはいうまでもありませんが、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」のような世界観とは似ても似つかないものです。
クルマの内装が大きく変化した背景は、いくつかの視点から分析することができます。
自動車メーカーの視点でいえば、当時の「ハイソカー」のほとんどは日本国内限定モデルであり、日本人の趣味嗜好にピンポイントで合わせたクルマづくりが可能だったという事情があります。
一方、現代では多くのモデルが海外でも販売されるグローバルモデルとなっているため、世界中の市場のトレンドにマッチする最大公約数的なデザインになりやすく、特定の国や地域に合わせたデザインを採用しにくいのが実情です。
加えて、より高品質な素材が多く登場したことや加工技術が進歩したことで、モケットのような当時の素材を使い続ける必要がなくなったということもひとつの理由です。
そして、ユーザー視点でいえば、当時の人々が高級車に対して見るからにゴージャスなものを求めていたという事情があります。
そもそも、「ワインレッドに染められたフカフカのモケットシート」のような世界観は、1960年代から1970年代にかけてのアメリカのラグジュアリーの影響を色濃く受けています。
さらに元をたどれば、それは英国王室に代表される欧州的ラグジュアリー感へとつながります。
高度経済成長期を経て、いよいよバブル期を迎えようとしている当時の日本では、海外旅行がブームになるなど、欧米への憧れが高まっていた時代でもありました。
そのため、クルマでもキャデラックやロールスロイス、ベントレーといった欧米の超高級車のような内装が好まれるようになったといえます。
まぁこの応接間風インテリアは当時から自動車のインテリアとしては如何なものか?とは思っていたけどね。
当時のモケットシートは、座り心地は良かったのですが、静電気が凄くて、カー用品店には、静電気防止グッツが沢山あった気がします。
当時のシートは大なり小なり、静電気がありましたが、毛深いモケットシートは大変でした。
リヤトランクにアンテナタイプの物や、キーホルダーに付ける小型の物や、リヤバンパーの下に垂らして地面に逃がすタイプ等、静電気防止グッツが沢山あった気がします。
特に冬場は、痛いくらいの静電気になりました。
懐かしいし、乗り心地も良いので、静電気が無くなれば良いと思います。